ウルトラマンバルグ エピソードEX
第おおよそ3.5話「共闘」
擬態怪獣・ロボカリン 登場


 人類が宇宙に進出してコロニー都市を作り、巨大な人型兵器が現実のものとなっている、
そんな遠い未来の地球。
 宇宙開発用に造られたパイロット登場式の人型巨大ロボット、メタルスーツ(以下、MS)。
この時代の防衛機関である特殊防衛隊によって、地球防衛のため軍事用に転用される計画も
持ち上がりつつある。
 だが、そのMSの一体が、都市近辺の山岳地帯の一角で暴れていた。
 この地帯は、MSの軍事転用計画のための研究施設のある地点であり、そこに詰めていた
作業用MSの一隊が暴走MSを押さえ込もうと一斉に組み付く。
 と、暴れていたMSは、口を開けた。
 冗談ではない。元々口などなかったのだが、頭部の人間で言えば口に当たる位置の
装甲が、突然べきべきと裂けた。牙の生えたあぎとが出来上がり、押えているMSの一体に
向かって、高熱で大量の炎を吹いた。
 パイロットの悲鳴と共にMSはのた打ち回り、やがて燃え尽きて沈黙する。
 暴走MSは更に組み付いていたMSも全て力で振り払い、全身もべきべきと変貌させ、
一回り大きく禍々しい姿になっていく。装甲の隙間からグロテスクな生体組織が見える。

(本当なのか、ゼクス!?)
(ああ、本当だ、ユウ)
 特殊防衛隊に出動命令が下り、基地内が慌しくなる中、タサキ・ユウ隊員は、精神内の
ウルトラマンゼクスとテレパシーで会話していた。
(今暴れているのは、既にMSではない。宇宙から侵入した怪獣・ロボカリンだ。
奴は宇宙を渡り歩いて文明の発達した星に侵入する。主に、人型のロボット兵器を軍施設などで
実用化している星に潜り込み、適当なロボット兵器に寄生する。そして、人が乗らないと
動けないロボットであると思いこんで油断して近づいた人間を食らうのだ)
(何てことを・・・!)
 ユウは怒る。
 ロボカリンへの攻撃はまず特殊防衛隊に任され、民間の組織であるSPIRITSへの出動命令は
まだ出ていない。色々風当たりも強いMSの軍事転用計画を進めている施設で起こった事態であり、
お偉方としては出来るなら内々に処理したいらしく、出動要請に待ったが掛かっているのだ。
そんなことを言っている場合ではないと特殊防衛隊一同も思うのだが、今は彼らだけで対処
するしかない。とにかく出動。

 コンドルウイング隊やユウの乗るストライクホークで攻撃を開始するが、ロボカリンは
びくともしない。もたついているうちに各方面にオダ総監やSPIRITSスポンサーのオノが
働きかけてやっと話が付き、SPIRITSのフェニックス隊も出動してくる。
 ユウはゼクスを介して、SPIRITS側のカキノキ・ジンと彼の精神内のウルトラマンバルグに
テレパシーを送り、事態を説明。
(ユウ、それは本当なのかい!?)
(ああ。宇宙怪獣となれば俺達の出番だろう。奴の好きにさせる手はあるまい)
(判った!)

 ジンとユウは、ロボカリンの吐く炎に撃墜されるように計算して飛び、戦線離脱して不時着する
振りをして、
「バルグゥゥゥ!!」 「ゼクゥゥゥス!!」
 両者変身し、青と赤の二人のウルトラマンが聳え立つ。
 バルグとゼクスは同時にロボカリンに挑む。作業用MSと違って一筋縄ではいかない相手と
悟ったロボカリンは、素早く動いて両者の攻撃を回避し続ける。その動きはまるで猿のようだ。
跳び回りながら戦っているうち、研究施設の倉庫が巻き込まれて崩れた。
 内部に格納されていたものが転がり出てくる。
 後の軍事用MSの装備として密かに作られていた、対怪獣用の巨大なマシンガンやバズーカやソード。
ユウ(何だ、これは!?)
ジン(武器・・・?)
 それらをロボカリンも目にし、何に使うものなのか直ぐ理解する。当然だろう。人型ロボット兵器の
ある星を渡り歩いていたのだから。
 素早くそれらに飛びつき、マシンガンを手に取り、バルグとゼクスに銃弾を連射してくる。
両ウルトラマンは驚き、取り合えず素早く跳んで避けるしかない。すると・・・
 近くにあった山中のダムに、銃弾が直撃した。
(しまった!)
 忽ちダムに皹が入り、水が漏れ出す。放っておけば決壊し、下流にある民家群が押し流され、
多くの犠牲が出る。
 ロボカリンは牙の生えた口でにやりと笑う。多くの人が溺れ死ぬ光景を想像して笑っているのだ。
直接捕食のみならず、災厄に苦しむ人々の苦痛をも食らう。邪悪以外の何者でもない。
 両ウルトラマンはダムに駆け出そうとするが、間に合わない・・・!

 だが。
 事態を見ていた作業用MS隊が、先にダムに駆け寄り、崩れかけたダムの防壁を全員で押えた。
大量の貯水が作業用MS隊に凄まじい重圧をかけるが、踏ん張り続ける。
ユウ(あいつら・・・!)
パイロットA「俺達だってこれくらいのことは出来るんだぜ!」
パイロットB「今のうちに怪獣を倒してくれ、ウルトラマン!」
 名もなきパイロット達の勇姿に感銘を受ける二人。
ジン(やろう、ユウ! 彼らの献身を無駄にしちゃいけない!)
ユウ(そうだな・・・!)

 作業用MS隊の予想外の介入に怒ったロボカリンは、彼らを蹴散らしてダムを壊そうと近付く。
だがそのためにそっちに気を取られ、
「コンドルキック!!」
 不意を打って跳んできたゼクスの高空からの蹴りで大きく態勢を崩される。
 更にそこに、咄嗟に対怪獣用ソードを拾ったバルグがそれを槍のように投げつけ、長大な剣は
怪獣を貫いて反対側の山に突き刺さる。動きを止められ、激痛に絶叫するロボカリン。
ジン(今だ、ユウ!!)
ユウ(おう!!)
 二大ウルトラマンはポーズを取って力を貯め、
「スピリッツ光線!!」
「ゼクニウム光線!!」
 必殺光線の同時攻撃が直撃し、ロボカリンは爆発炎上して果てた。

 実際の軍事用MS計画が軌道に乗る前にそのオプション兵器のお披露目が行われる羽目になり、
オノ会長とオダ総監は肩をすくめた。情報封鎖が大変だが、両ウルトラマンや作業用MS隊の
奮闘への念はそれとは別である。二人は感謝した。
オダ「これからも、宇宙や未知なる領域からの悪意は地球を襲うだろう」
オノ「ええ。だからこそ、我々同じ人類同士くらいは愚かないがみ合いをすることなく、
有事に対しては素直に手を取り合って戦いたいものですね」
 大モニターの中では二人のウルトラマンが固く握手し、MS隊も声援を送っていた。
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ウルトラマンバルグ クリスマス番外編 「クリスマスの奇跡」 鈴怪獣スズゴン 鹿怪獣シカドン 大泥棒宇宙人サルタ星人 ウルトラノストル登場

12月24日クリスマス・イブのことである。
特殊防衛隊の基地で特殊防衛隊、SPIRITS主催のクリスマス特別イベントを行っていた。
イベントの目玉は実際にストライクホークなどを使って行われるウルトラマンバルグ、ゼクスショーである。
事の発端はSPIRITSのスポンサーであるオノが
「一般市民の方々にSPIRITSや特殊防衛隊のことをよく知ってもらうためにクリスマスにイベントを
 おこなってみてはどうでしょう?」
という言葉である。
オノが特殊防衛隊日本支部総監のオダに話を持ちかけオダが了承したのでイベントを行うことになったのだ。

会場の一角でジンはSPIRITSの武装や兵器について市民に説明していた
「この銃が僕達の装備であるスピリッツガンです。実弾とレーザーの打ち分けが出来て…」
ジンが一通りの説明を終えるとユウが来た。
「あ、ユウ。ショーの方はいいの?」
「今はヒジカタ隊長やレイ、トダ隊長、タケダ副隊長が街の防衛について語ってるから休憩中なんだよ」
「あぁ、なるほど。…けど、ショーをやるって聞いた時は驚いたなぁ」
「まったくだぜ。バルグやゼクスはどうすんのかと思ったらガンゲリの色塗り替えてそれっぽくして登場させたからな」
「レイ副隊長やロウも大変だったろうね」
「ほんとにな」
と、その時である。突如として会場の近くに怪獣スズゴンとシカドンが現れたのだ
会場はパニックになるがヒジカタやトダの素早い対応ですぐにほぼ全ての避難活動を終えたのだった。
そして、ジンやユウに出撃命令が下りジンやユウは出撃した。

ストライクホークやコンドルウィング、スピリッツフェニックスが一斉攻撃を行うもあまり効果がなく
二大怪獣は街を大暴れしていた。
そこにロウのガンゲリオン初号機とレイの弐号機が現れる。
ガンゲリオンの登場により一気に優勢になる特殊防衛軍とSPIRITS
しかし、そこにサルタ星人が現れる。
サルタ星人は風呂敷を降り回しスピリッツフェニックスやコンドルウィングが撃墜された委員達は脱出する。
そしてジンのスピリッツフェニックスとユウのストライクホークが撃墜されバルグとゼクスが現れる。
バルグがスズゴンの相手をし、ゼクスがシカドンの相手を、ロウとレイはサルタ星人と戦う。

バルグはスズゴンに対しフィンガ―ショットで攻撃をしかけるがあまり効果が現われなかった。
そこでバルグはスズゴンに対し格闘をしかけた。
スズゴンと取っ組み合いになるバルグ。
しかし、スズゴンがとてつもなく大きい音を出しバルグの動きを止める。そして、バルグに乱打を加える。
バルグのエナジーコアがなりだす。
バルグは決着をつけるためにフィンガーブレイクを発射した。
フィンガーブレイクは命中したがスズゴンは耐えた。
そして、再びバルグに対し乱打を加える。

ゼクスはシカゴンの突撃に戸惑っていた。
ゼクスが牽制としてストライク光線を繰り出す。
しかし、シカゴンに避けられゼクスはシカゴンの突撃をモロに受けてしまう
ゼクスがぶっ飛ばされ地面に叩きつけられゼクスは大きなダメージを負った。
ゼクスはよろよろと立ちあがりシカゴンにコンドルキックを放つ。
コンドルキックは命中しシカゴンを倒れさせた。
しかし、シカゴンは立ちあがり鼻を真っ赤にしてゼクスに突進した。
ゼクスは受け止めようとしたが受けきれずに再びぶっ飛ばされてしまう。
そしてゼクスのカラータイマーがなり始めた。

ロウとレイはサルタ星人の攻撃に苦戦していた。
サルタ星人は素早い動きでロウ達を翻弄する。
「くっ、当たれ!」
レイが対怪獣用マシンガンで攻撃を仕掛けるもサルタに当たらない
「チキュウジンノウエポンハコーンナモノデスーカ?ガッカリデース」
そういうとサルタ星人は風呂敷から大型ガトリングガンをとりだし二人に攻撃をしかけた
「…フィールド展開!」
二人はガードフィールドを展開し攻撃に耐える。だが、フィールドも長くは持ちそうになかった
「…クッ、このままでは…やられる…」
その時であった突如としてウルトラノストルが現われサルタ星人に攻撃をしかける
「オウ!?ユーはナニモノデースカー?」
「ホッホッホ、サンタクロース…とでも名乗っておこうかのォ」
そういってサンタの姿をしたノストルは笑った
「サンタクロース!?ワケガワカリマセーン。デスガミーノジャマヲスルナラヨウシャハシマセーン」
サルタ星人は再びガトリングガンを取り出しサンタクロースに攻撃を仕掛ける

「フン、ぬるいわ!」
そういうとノストルはマントで全ての弾を叩き落した
「シーット!ナントイウコトコタダ…」
「ホッホッホ、一度異次元で精神を鍛えなおすがいい。ノストルウェェェイブ!」
そういうとサンタはマントでサルタを異次元に送る
「オーマイガー!ロイスサマスイマセーン!」
そういい残しサルタは異次元えときえた。
「なんなんだ?あのサンタクロースは…」ロウがそうつぶやく
「特殊防衛軍の隊員よ、ゼクスの援護に行くといい。ワシがバルグの援護に向かおう」
「…了解しました。私達はゼクスの援護に向かいます」
「…レイ副隊長!?」
「大丈夫。行動を見る限りあの巨人は私達の味方よ。ゼクスの援護に向かう。いいわね?」
「…了解しました」

「ウッ、ジュワッ…」
バルグは瀕死の状態に陥っていた。
スズゴンの乱打はまだ続く
そこにノストルが現われスズゴンを投げ飛ばした
(大丈夫かの?バルグ、ジンくん)テレパシーでノストルはバルグとジンに話しかける
(その声は…ノストルさんですか?)ジンが尋ねる
(そうじゃ。苦戦している様じゃの…。ワシのエネルギーを分け与えよう)
(感謝します。ノストル)バルグはそう答えた
(ホッホッホ、構わんよ。どれ、そろそろ決着をつけるぞい)
(はい!)(了解した)
バルグはノストルからエネルギーを分けてもらい再び立ちあがる
そしてバルグはスピリッツ光線をノストルはノストルショットを発射した。
スズゴンは爆発した

「ブモォォォッ!」
シカドンがトドメを刺そうと再び突撃の構えを取った。
そこへ初号機と弐号機が現われ怪獣用マシンガンで攻撃をしかけた
シカドンは怒り初号機と弐号機のほうへ向きを変え突撃してきた
「くるわよ!」「えぇ…フィールド最大展開!」
初号機と弐号機がシカドンを受けとめようとする
初号機と弐号機はシカドンを受けとめるが余り永くは持ちそうになかった。
そこへゼクスが再び立ちあがりロウ達とともにシカドンを受けとめる
(いくぜ、ゼクス。ロウやレイにあまり負担をかけていられねぇ!)
(あぁ、わかっている)
ゼクスはシカドンを投げ飛ばしゼクニウム光線を発射した
「私達も合わせていくわよ!」「了解!」
初号機と弐号機も対怪獣用レーザーライフルを取り出しシカドンに発射した
シカドンは爆発した。

「おーい」
ジンとユウは中間達のところに戻ってきた
「おぉっ、ジンとユウも戻ってきましたよ」
「大丈夫だったの?ジン」エミがジンに言う
「あれ?エミ、なんでいるの?」
「私もイベントに来てたのよ。撃墜されたって聞いて心配したけど無事みたいね」
「バルグに助けてもらったんだ」
「へぇ…」

「あの、怪我とかはないんですか?」サツキがユウに聞く
「うん、大丈夫大丈夫。ゼクスに助けてもらったよ」
「よかったですね」
「まぁ、俺、悪運は強い方だからね」

「おーい、みんな。イベント再開するぞー!」
オノが突然現われ隊員達にいった
「よし、みんないくぞ!」
ヒジカタとトダがいった
「了解!」

再開されたイベントは順調に進んでいた。
そして、イベントが終わろうかという時であった
突如としてサンタクロース姿のウルトラノストルが現われた
「おぉ…サンタだ!」とか「えっ?やらせ?」と言った声が人々から聞こえる
「ワシからみんなにクリスマスプレゼントじゃ!」
ノストルがそういうとボロボロになった街が元に戻り大きなモミの木が生えた。
そして、ノストルがパチンと指を鳴らすとモミの木に飾りが一気につき雪が降り始める
人々が口々に「すげぇ…」とか「綺麗…」とか「奇跡だ…」等と口にする
そして、ノストルがマントを降ると街の人みんなにプレゼントが渡る
「メリークリスマス!」
ノストルが街の人たちにこういうと街の人たちも「メリークリスマス!」と言った
ノストルが指を鳴らし鹿そりをよぶとノストルはそりに乗りさっていった。
街の人たちは後にこの日を「ウルトラクリスマス」と言って語り継いだ

皆さんもよいクリスマスを…

特別編終わり