地球人は、常に異星人から狙われている。ある者は地球人の生態を調査するため。又ある者は
洗脳したり改造したりして地球侵略の尖兵とするため。そして、今回やってきた宇宙人は・・・


ウルトラマンミラクル エピソードEX  書いた奴 バースト作者
「宇宙禁漁区」 宇宙釣師・フィッシャー星人 登場


 宮野、小野、橋本の三人は、衛君やその友人の子供達と共に江ノ島海岸に釣りにやってきた。
表向きは休暇中の余暇ということだが、実は、RED隊員として密命を受けていた。最近、この近辺で
行方不明者が多発している。此処暫く宇宙空間で異常な電波がキャッチされていることから、
宇宙人の仕業ではないかと見て、調査の依頼が来たのだ。しかし、今のところ大した手掛かりも
見付からず、三人は取り合えず普通に子供達と釣りを楽しんでいたのだが・・・
 やがて、目の前で事件は起こった。
 周りの釣り客が次々、突然宙に持ち上がり、どんどん空へ舞い上がっていくではないか!
釣り客達は当然助けを求めて叫ぶがそれも空しく、雲間へと消えていく。皆が驚く中、宮野は
ウルトラマンの奇跡の超感覚で、雲間より更に上の宇宙を密かに見通した。
 そこには、大型のUFOが滞空していた。その持ち主である巨大宇宙人が、人々を拉致しているではないか!
UFOの縁に腰掛け、釣竿から垂れた透明で見えないテグスの先の針で!

 フィッシャー星人の地球人拉致の目的は、調査でも地球侵略の下準備でもない。彼らは、各惑星に
住んでいる生物を釣るためにUFOで飛来してくるのだ。釣りの趣味のためだけに。UFOに閉じ込められた
人々は、バケツやクーラーバッグに纏めて入れられたり、墨を塗られて魚拓・・・じゃない、人拓を
取られたりして苦しんでいるではないか!

「何てことを!」
 怒った宮野は皆の輪からこっそり離れて岩陰に隠れ、ウルトラマンミラクルに変身して現れた。
衛達の前で、奇跡の念力で生み出した巨大な釣竿を持ち、
「ミラクルフィッシングロッド!」
 上空へ向けて振り、テグスを飛ばす。その針は星人の釣り針に掛かり、互いに引っ張り合い、
やがて、力負けした星人が地球の海に落ちてきたではないか! 高波が沿岸を襲い、衛や小野達は
水浸しになる。
「何だお前は!? 人が折角釣りを楽しんでたのに何をするんだ!」
 怒った星人は、ルアーのついた釣り針を振り回してミラクルに飛ばしてきた。ミラクルは交わし
続けるが、埒が開かないと見て、念力でデコイを発生させ、それを次々針にキャッチさせて
自分に命中するのを防ぐ。デコイの概要を具体的に言うと、空き缶とかゴム長靴とかバケツとか。
星人がハズレを掴み続ける隙に、ミラクルは手を海に入れ、激しく振り上げて大波を起こし、それで星人を
吹き飛ばしたではないか!
 又も転倒させられた星人は、
「おのれ、諦めるか! 折角見つけた穴場なんだ!」
 地球人を魚としか思ってない。怒って更に攻撃しようとするが、そこに、別のウルトラマンが
宇宙から飛んできて介入。
 宇宙警備隊の、ウルトラマンイレイズではないか!
 イレイズは重苦しい深刻な雰囲気をまとって星人を睨む。又、所詮宇宙人と地球人は判り合えないのだ
とか、何者であろうと宇宙の平和を乱す者は完全に殲滅するとか、いやーな話になるのかと思ったら、

「此処は禁漁区だ」

 宇宙警備隊が中継ぎとなって、井上隊長を代表とした地球防衛軍上層部とフィッシャー星との間で
話し合いが行われ、協定が結ばれた。緑と海の美しい星・地球は、釣り客にとって不可侵の場と
されたのである。観光対象として。
 その後、フィッシャー星から宇宙観光船が頻繁に地球近辺の宙域を周回して観光に来る。
地球人を珍しい魚だとか言って喜んで指差して見る。橋本は余り気分よくないとかふてているが、
観光客が色々おひねりを地球に落としてそれが観光収入となるのでそう悪い状況でもない。
ミラクルと戦った個体のフィッシャー星人はなんやかんやあって地球人と友達となり、宮野や衛君達を
自分のUFOに乗せて地球の周囲を遊覧したりして仲良く楽しんでいる。UFOの窓からは、たまにくる
マナーの悪い密漁者をイレイズが宇宙空間でとっ捕まえたりしていて、その光景も絶景だったり。
まあそんな感じののどかな地球圏の一日の話ではないか!
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