第五十一話「絶体絶命地球!シグマ散華…」究極戦闘生命体ラストレイガ、
破滅宇宙人バゾード星人、調査ロボットウォーグ登場

宇宙に不気味に輝く一つの星があった。そこは白い霧と常に噴火している火山が
あり、普通の者は絶対に近づかない暗黒惑星…。しかしその星のあるところに
一人の宇宙人が何かを作り出していた。宇宙人の周りには立体映像で
巨人と怪獣、宇宙人との戦闘シーンが繰り広げられていた…。

銀色の巨人は全身のほとんどが黒い姿である怪獣と戦い必殺技を
跳ね返されて敗れた。
赤の巨人はロボットに一方的に打ちのめされ、必殺技は全て防がれた。
一人目の巨人によく似た容姿の巨人は宇宙人と怪獣のダブル攻撃に
叩きのめされ夕日に倒れた。
トサカに穴が開いている巨人は今までの巨人が十字架に掛けられている状況で
相手の光線技を一方的に浴びせられていた。
角が生えている巨人は鳥のような怪獣に執拗にくちばしで胸を攻められ
起き上がろうとするも結局倒れてしまう。
巨人達と怪獣、宇宙人の戦いのシーンがどんどん映し出される。
???「かつてのウルトラマンの戦闘データは全て記録した。あとは
ウルトラマンシグマのデータだけだ…!」

地球―――現在時刻は21時43分。
SGTの真悟と雪は奥多摩山中の二人だけしか知らない休憩所に来ていた。
二人しか知らないのは真悟が秘密の場所として自腹でベンチを作ったためだ。
星空を見上げ、二人。真悟が口を開く。

真悟「なあ雪」
雪「なに?」
真悟「この前、金本艦長達を救いに外宇宙に行ったけどさ」
雪「それがどうしたのよ?」
真悟「俺もいつか宇宙を旅したい。そして宇宙のみんなに野球を教えて
お手製蕎麦を振舞うんだ」
雪「あはは…蕎麦は止めときなさい。でも真悟は夢があるね」
真悟「そうさ、男だったら未知の世界に足を踏み入れてみたいものさ」

二人が将来のことで語り合っている時、通信が入る。
真悟「なんだ?…はいこちら真悟」
姫子「緊急連絡です!神奈川県の宮ノ丘にロボットが出現!周辺を破壊しています!」
真悟「了解!ただちに向かう!…雪、行くぞ!」
雪「OK!」
SGT基地よりファルコン部隊が発進!宮ノ丘に現れたロボットを攻撃する!
ロボットはそんなことを物ともせず、逆に迎撃ミサイルで反撃してくる!
ファルコン3号のオイルタンクがやられ不時着する。
真悟「くそ!よーし…シグマァァァ!!」
真悟はシグマに変身!いきなりバーニングキックでロボットを吹き飛ばす!
ロボットのミサイル攻撃をシグマシールドで防ぎ、シグマソードでロボットの
右腕を斬り落とす!ロボットは額からのレーザー砲で反撃、シグマを苦しめるが
二発目のそれをシグマはバック転で避け、アスシウム光線をロボットに浴びせ
完全に破壊した。しかしロボットの内部から小型のメカが飛び去った事を誰も
気付きはしなかった…。

小型メカは先程の不気味な惑星に辿り着き、あの宇宙人のもとへ。
???「よくやったウォーグ…シグマの戦闘力は今までの、そして今回の戦闘記録で
完全に把握した。さらに過去のウルトラマンのデータも揃っている。これに私の超能力と
科学力が組み合わさった時、最強の、何者にも倒す事の出来ない怪獣が誕生するのだ…」
そう言うと巨大なカプセルに目を向ける。そこにはまだ小さな細胞の塊が浮かんでいる…。
宇宙人はコンピュータに全てのデータを送り込む。塊が赤く光りだす…。
???「さあ機は熟した…最強怪獣ラストレイガの誕生だ!!」

宇宙人は右手より光線をカプセルに向けて発射!塊が次第に巨大化しおぞましい姿へと
変貌していく!さらに形が整われていき、硬質だがシンプルな姿へ変わる。
稲妻がカプセルに落ち、爆発!怪獣はついにその姿を完全に現した!
全長80m、全身光沢のあるグレーのカラー、表情らしい物は窺えず背中と腕の付け根が
赤く発光している…。今までのどの怪獣よりも恐ろしく、強く、容赦の無い生命体だ…。
???「地球だけではない!全ての星々、さらにはあの光の国も奇跡の国も
この私、バゾード星人の物になるのだ!!ふふふはははは…!!」

その頃、自室で真悟は先程の戦闘でふと疑問が浮かんだ。それは…
真悟「何故、奴はあんな周りには何も無いようなところで破壊活動を
行っていたんだ?あんなに広くて何も無いとこじゃ戦いやすくて向こうが不利に
なるのは明白だ…それに奴はまるで俺の力を計算するかのような戦い方だった…
何故なんだ…俺の戦闘力を観測する為に送られてきたと言うのか?」
真悟はそんなことを考えながらもどうしようも無いのはわかっているので
そのままベッドに入って寝る…しかし夢の中で…。
破壊され尽くされたどこかの星、そこでシグマと黒い影が戦っている。
シグマの攻撃を物ともせず、影はシグマを一方的に叩きのめす。さらに破壊光線を
シグマに浴びせ完全にダウンさせた…影はシグマを踏みつけ勝利したぞと、
空を仰ぐ…。

その時、真悟は目を覚ました!まさかこんなことが起きると言うのか…馬鹿な…。
真悟「いかん、昨日から変なこと考えすぎたな…」
真悟は隊員服に着替えて作戦司令室に向かう。いつも通りの隊内の雰囲気…
特に異常は無さそうだ。
真悟「やっぱ夢だよな…」
雪「どうしたの真悟?」
真悟「なんでもないって」

しかしその時、突如として通信システムに割り込みが入る!
姫子「隊長!通信に割り込みが!モニターに何か映し出されます!」
神「何!?」
モニターから奇怪な姿の宇宙人が映し出された。
神「君は何者だ!?」
星人「私はバゾード星人。今回は君達に頼みたいことがあってね」
神「頼みとはなんだ?」
星人「地球を貰い受けたい。宇宙支配の足がかりとしてね」
中村「ちっ!ストレートに言いやがって!結局のところ侵略に来たんだな貴様!」
星人「侵略とは酷いな。私は地球人の命は保証するつもりだよ。SGTがその条件を
飲めば誰も死なずに済むんだ」
荒井「貴様に地球を渡すわけにはいかん!それに地球には俺達SGTがいる!」
星人「はっはっはっ…SGT如きが私に敵うものか!」
谷村「ふざけるのも大概にしろ!それになぜそんなことが言えるんだ!」
星人「では私の力と自慢のペットをお見せしよう…」

いきなり警報が鳴る!東京都心に怪獣が現れたのだ!怪獣は動くことなく
レーザーで周りの物を破壊していく。
星人「私のラストレイガは何者にも倒せない…SGTの諸君、戦う覚悟はあるかね?」
中村「隊長!やりましょう!奴の出鼻を挫いてやる!」
神「よし!出動だ!」
ファルコン部隊が東京都心へ向かう。怪獣を発見し攻撃を開始する!
神「全機攻撃開始!!」
真悟「了解!」
全ファルコンのミサイル、レーザー砲での攻撃が開始された!しかしラストレイガは
まったく気にする素振りを見せず、街を破壊していく。

真悟「なめやがって!くらえー!!」
真悟のファルコン3号が突撃!メタリウム砲で一発を狙う、だがラストレイガは
目から光線を発射しそれを相殺!さらに火球でファルコン3号を撃ち落とす!
雪「真悟ー!」
真悟「うわぁぁぁぁ!!」
3号が完全に撃墜、爆破した瞬間に…

シグマァァァ!!

真悟はウルトラマンシグマに変身!ラストレイガに挑む!
「スパークビーム!!」
速射制の高い光線技でシグマはラストレイガを攻撃!しかしさらに速い光線で
シグマは吹き飛ばされてしまう!
「バーニングキック!!」
次にシグマは空高く飛び上がり回転を加え必殺キックをお見舞いする!ラストレイガは
片手で受け止め、シグマを投げ飛ばす!
「シグマソード!!」
念力で剣を作り出し、シグマは斬りかかろうとする!だがラストレイガの蹴りが
シグマを地に伏せさせ、それでも斬りかかってきたソードを片手で軽く折ってしまう!
「バーチカルギロチン!!」
ウルトラマンエース直伝のカッター光線をラストレイガに向けて放つ!
だがラストレイガは完全防御バリアを張り、ギロチンを粉々にする!
「プラズマスピン!!」
体を高速回転させシグマは突撃する!ラストレイガはパンチ一発でそれを止めてしまう!
「アスシウム光線!!」
数々の強敵を撃ち破ってきたシグマの必殺光線がラストレイガに向け発射される!!
ラストレイガは両腕と胸から光線を発射!アスシウム光線と壮烈な撃ち合いを展開する!
激しい爆発と共に立っていたのは…ラストレイガ!!

シグマのカラータイマーの鳴りが今までの中で一番早い!まともに立つ事さえ
ままならないシグマを容赦無くラストレイガは踏みつけ空を仰ぐ。
さらにラストレイガのすぐ隣に黒煙が発生!中からバゾード星人が現れた!!
ラストレイガはシグマの首を掴みむりやり立たせる。バゾード星人はシグマを
サンドバックのように殴りつけ、とどめに赤色寒波光線を浴びせシグマを
完全に倒す!シグマはその場で徐々に透明になっていき消えた。
神「ウルトラマンシグマが…」
雪「負けた…」
その光景を目の当たりにしたSGTも、周りの人々も、世界中の人々も信じられない
光景を見せ付けれてしまったのだ…!

星人「さあ地球人達よ!君達の守護神、ウルトラマンシグマはここに敗北した!!
君達が生き残るには我々に従うしかないのだよ!ふははははは!!」
シグマは真悟の姿へと何とか戻るものの、すぐに倒れてしまう…。
真悟「だ…駄目、だ…奴には…勝てない…!」
ゆっくり目を閉じ、真悟は意識を失っなっていく…!

最終回予告「シグマと共に歩み、泣き、笑い、戦ってきたこの1年…シグマ敗れた
地球では人々が悲しみに震える…。それでもSGTは決死の大勝負へと出る!復活したシグマの
最後の超必殺が地球に光を取り戻す!地球人よ、勇気を持て!
シグマは地球を去る。そして愛を残す…。
さあ、ウルトラマンシグマ最終回!!みんなで見よう!!」
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第五十二話・最終回「さようならシグマよ!銀河に届け勇気と愛!」
究極戦闘生命体ラストレイガ、破滅宇宙人バゾード星人登場

前回のあらすじ…。
全宇宙支配を企む破滅宇宙人バゾード星人は最強の怪獣、ラストレイガを
誕生させた。大和真悟はウルトラマンシグマに変身し、果敢にラストレイガに
戦いを挑むがシグマの必殺技は全て通用せず、逆にラストレイガの必殺技、
ガウドエクスプロージョンによって倒され、さらに現れたバゾード星人の
赤色寒波光線により、力尽きてしまう。シグマは真悟の姿に戻るものの、
悔しさを滲ませながら意識を失ってしまう。

SGTはファルコンをその場に着陸し、目の前の光景を見つめていた。
バゾード星人は地球に勧告を行う。降伏しろと。
星人「地球人達よ。ここで降伏するなら君達の命は保証しよう。さあどうするかな?」
神「断る!貴様の言いなりにはならん!!」
星人「その選択をするのもいいだろう。では明日から早速、まずこの日本を
破壊し尽くそう。早く降伏しなければ日本どころか世界中が危ないぞ…
そのことを忘れるな…ふふふははははは…!!」
バゾード星人はそう言い残すとラストレイガと共に消えていった。

中村「隊長!いったいどうするんですか!?」
神「…とりあえず本部に戻ろう…。我々も態勢を整えなければならん」
雪「でも隊長!真悟が!真悟はどうするんですか!?」
神「…今は星人と怪獣の問題を何とかしなければならない。真悟一人を
構っているわけにはいかない…」
雪「酷いです隊長!真悟を見捨てるんですか!!」
神「見捨てるわけではない!!…あいつはいつだって帰ってきていた…!
真悟は必ず生きている!あいつが死ぬわけないんだ!!」
神は自分に言い聞かせるように叫ぶ。SGTが本部に帰還するため再びファルコンに
搭乗しようとした時、住民がSGTを取り囲む!

「おい!あんな返答していいのかよ!!」
「地球はあの宇宙人によって荒廃するぞ!!」
神「みなさん、地球人が諦めてしまっては奴の思う壺なんです」
「だけどあの宇宙人と怪獣にはシグマも敵わなかったんだぞ!!」
「そうだそうだ!俺達が生き残るにはあいつに従うしかないんだ!!」
神「シグマが勝てないのなら地球人が勝ちましょう。我々は40年以上も
ウルトラマンと共に怪獣や侵略者と戦ってきました。同じだけ我々も
戦ってきているのです!シグマが勝てないから我々が勝てないということは
無いのです!そして地球の平和を守っていくのはウルトラマンではなく
我々地球人なのです!その気持ちがあるからこそ我々はいつも諦めず、どんな局面に
立たされても負けずにここまでやってこれたのではないでしょうか?
ですからみなさんも最後の最後まで諦めないで下さい!!」

その頃、どこかの森の中で意識を失っていた真悟は誰かに運ばれていた…。
真悟は朦朧としながらも
真悟「(誰だ…俺を連れて行くのは…?)」
???「真悟さん、しっかりしてください!」
???「真悟さん!俺だよ、勇だよ!分かる!?」
真悟「勇君…?」
勇「そうだよ!大丈夫?」
勇の父「いつも勇がお世話になっています」
真悟「勇君のお父さんですか…うっ…!」
勇「あっ!真悟さん!」
勇の父「こりゃいかん、すぐに家に運ばなければ」
勇達が真悟を家に連れ帰っている時、SGT基地では…。

荒井が今後のことについて話し出す。

荒井「今回の戦闘の記録を確認しましたが…駄目ですね勝率は限りなく低い」
神「勝率が1%でもあればやるのが我々だ」
荒井「ですが、我々の攻撃をものともしない連中です。こちらの武器もたぶん
研究し尽くしているのでしょう。私は…正直不安です」
神「ならば奴らも知らぬ武器を用意しよう」
谷村「そんな物があるんですか、隊長?」
荒井「…まさか、あれを使用するつもりですか隊長!?」
神「そうだ、プラズマクラッシャー砲だ」
荒井「あれは…使えるには使えますがまだテストも行っていない非常に不安定な物です。
それにエネルギーとなるデリアス鉱石は時田研究所にあり、星人の妨害工作が
あったらひとたまりもありません!」
神「分かっている…だから私だけで行く!」
中村「隊長!俺も行きます!」
神「いや、若い君を危険に晒すわけにはいかん。私だけでやる!
…何、デリアス鉱石を取りに行くだけなんだ。必ずしも妨害工作があると
決まったわけではない。みんなは状況の確認、真悟から連絡があったら頼むぞ」

SGTタイガーに乗り込み、神は時田研究所に向かう。意外にも何も
障害無く、時田研究所に到着した。
時田「神隊長…これがデリアス鉱石です」
神「ありがとうございます。これで必ず地球を守ります」
時田「…神隊長、うちにある鉱石だけではプラズマクラッシャー砲は2発が限度です。
ここぞという場面で使ってください」
神「分かりました。それでは失礼します」

鉱石を受けとり、タイガーで帰還する神…しかしその時、宇宙船が現れタイガーを
攻撃し始める!そしてどこからか声が聞こえてきた…バゾード星人!

星人「神隊長…大人しく降伏すればいいものを。奈落の果てに突き落としてやろう」
神「私は絶対に諦めない!私の命が尽きる時は貴様らの命も終わる時だ!!」
タイガーは宇宙船の光線を避けながら進む。しかしこのままではいつ当たるとも
限らない。その時、前方に機影が…ファルコン2号だ!
中村「隊長!俺達は、SGTに入隊した時から危険なんか覚悟の上です!」
雪「そうです!それにこんなの、危険の内にも入りません!」
ファルコン2号はメタリウム砲で宇宙船を攻撃!宇宙船はバリアを張るものの
貫通し破損してしまう。
星人「ふっやるな。だが明日は君達の最期の日だ。この短い時間を楽しんでおきたまえ。
もちろん、君達の気が変われば話は別だがね…はっはっはっは…!」
そう言い残し宇宙船は姿を消した。その頃、真悟は…。

真悟「…うっ、ここは…勇君の家か…」
勇「そうだよ。しっかりして真悟さん」
勇の父「今は休んでください。SGTの方には私が連絡しておきます」
真悟「いえ、連絡は結構です!明日もバゾード星人の攻撃がある…SGTも
それに備えているでしょう。俺は直に合流しますので…」
勇の父「はあ、そうですか。では…」
勇「真悟さん、今は寝ようよ、ね?」
真悟「うん、明日は必ずみんなを守って見せるからな…」
真悟は少しでも勇君を安心させようとそんな絶対でもないことを言う…
そしてその夜の夢の中で…。

???「ウルトラマンシグマ…大和真悟よ…」
真悟「あなたは…ゾフィー隊長…?」
ゾフィー「そうだ、私だ…今日は話がある…」
真悟「話…?まさか…!」

ゾフィー「もう察しているか…そうだウルトラの星への帰還命令だ」
真悟「その命令は聞けません!まだバゾード星人、そしてラストレイガ…あいつらを
倒すまで、俺は帰るわけには行きません…!」
ゾフィー「駄目だ…君はまだ若い。その命を散らすには早過ぎるのだ」
真悟「俺は…地球のためなら…それに勝つ手段は一つだけあります…!」
真悟がその話をしようとした時、現れたのは…ウルトラマンエース!

エース「真悟!まさか、君はあの技を使う気か!?」
真悟「…俺にはもうこれしかありません!」
エース「あの技は危険だ…失敗したら太陽系は軽く吹き飛んでしまうぞ!
成功してもデメリットがある…!」
真悟「…それは承知の上です…!」
エース「君には私と同じ想いをさせたくない…」
真悟「この星を守るのが…ウルトラマンとしての俺の使命です!」
エース「…もう一度、警告する!あの技は絶対に禁止だ!!」

そこで目を覚ます真悟。外ではスズメがチュンチュン鳴いている…!
SGT本部ではプラズマクラッシャー砲の準備が完了し、全ての戦力を
荒れ果てた東京駅周辺に集めさせた。
神「…みんなに聞いておくことがある。この戦いは絶対参加する義務は無い。
今のうちに避難してもいい」
中村「隊長!そんなこと俺はしません!」
谷村「そうです!あいつらに地球人の底力を見せてやる!」
荒井「昨日も言った通り、私は不安です…。ですが逃げ出すのは私の性分では
無いので」
姫子「ここで逃げ出してもなんにもならないんです!私だって…
SGTの隊員なんです!」
雪「真悟の分まで大暴れしましょう!!」
神「すまんな、みんな…。よし!これより我々は決死の大勝負に出る!みんな頼むぞ!」
そして遂にラストレイガ、バゾード星人がその姿を現した!
星人「なるほど…君達の返答はそれか…では、これより地球破滅と行こうか!」

ラストレイガが目からレーザー光線を発射し、東京駅を完全に粉砕する!
SGTは地上に中村、荒井を残し、ファルコン1号に神、姫子、2号に谷村、
そして3号に雪が乗り込み攻撃を開始する!
星人「無駄なことがつくづく好きだな君達も…!」
バゾード星人は腕から雷撃光線を発射し、ファルコンを攻撃する!
ファルコン隊はそれを避わし、レーザー砲で攻撃!だが効き目はやはり無く
逆にラストレイガの火球で2号に被弾してしまう!
谷村「くそ!脱出!」

地上の中村、荒井はプラズマクラッシャー砲での攻撃準備をしていた。
合図があるまで撃つことは出来ない…!
中村「くそ!みんな!」
荒井「撃つな中村!チャンスを待つんだ!!」
バゾード星人は腕を合わせ火炎を放ち、ファルコン1号を被弾させる!
神「しまった…姫子、脱出だ!」
姫子「うっ!…了解!」
神達は落ち行くファルコン1号から脱出!しかしファルコンの進路はラストレイガの
方である!ファルコンはラストレイガに激突!大爆発が起きる!…しかし
ラストレイガは無傷である。
星人「馬鹿な奴らよ!その程度でラストレイガを倒せるものか!」
雪「まだ私がいる…真悟…!」

勇「真悟さん、行っちゃうの?」
真悟「ああ、みんなが戦っている…俺が行かないわけにはいかない」
勇「でもあいてはシグマもやっつけちゃったんだよ!?」
真悟「…地球人が力を合わせればきっとシグマ以上に戦える!全ての人が
手と手を取り合って進めば未来は光り輝く!勇君…さようなら…!」
勇「真悟さん…真悟さーん!!」

SGTは劣勢を強いられていた。上空で雪の乗ったファルコン3号が
奮闘するが落とされるまで時間の問題である。地上での攻撃も効き目は無い。
星人「ラストレイガ!やれ!!」
ラストレイガはレーザーでファルコン3号を撃墜!雪は脱出しようとするが…
雪「脱出装置が効かない!?…真悟!!」


真悟「シグマァァァ!!」


谷村「ウルトラマンシグマ!!」
星人「生きておったか…!」
シグマは雪を救出。ラストレイガ、バゾード星人に最後の戦いを挑む!
果敢にシグマはラストレイガに飛び掛るがラストレイガはそれを跳ね除け、
逆にシグマを踏みつけ、連続で蹴りを入れる!さらにバゾード星人の赤色寒波光線を
浴びせられ苦しむシグマ。だがこの星を守りたい…その気持ちがシグマを
再び立ち上がらせた!
星人「しぶとい奴だ!」
シグマ「地球は…みんなの星だ!誰かが支配するようなことは…絶対に許さん!!」
そう叫ぶとシグマはシグマソードを取り出し、バゾード星人に投げつける!
バゾード星人は避けようとするがSGTの一斉攻撃で怯んでしまう!
ソードがバゾード星人の腹部に貫通した!
星人「うおっ!?」
神「今だ!」
中村「地球人の底力を思い知れ!!」
プラズマクラッシャー砲が発射されバゾード星人に命中!大爆発が起きる!
星人「ば、馬鹿な…ラストレイガよ!地球を破滅させろ…破滅させるのだー!!
ぐっ!ぐわああぁぁぁぁ!!」

ラストレイガはバゾード星人の最期の叫びに応えガウドエクスプロージョンの
構えを取る!シグマは…
シグマ「本当は…この技は使いたくなかった…!だが奴を倒せる方法はこれしかない!」
シグマの両腕にエネルギーが集中されていく!今までのシグマが見せたことのない
技をしようとしているようだ…!ラストレイガはレーザー、火球を発射し
シグマの邪魔をする!だが…SGTがシグマを援護する!
荒井「最後の1発だ!受けてみろ!!」
プラズマクラッシャー砲が再び発射されラストレイガは怯む!同時にクラッシャー砲は
破損してしまう!
シグマ「みんなありがとう!これが、貴様にだけ見せる最後の力だ!
アスシウム光線の本当の姿…それが…ビッグバン・アスシウム光線!!!!!」

シグマの全てのパワーを開放し発射されたビッグバン・アスシウム光線!!
決まればどんな敵も必ず倒せるシグマの最強にして最後の光線技だ!それが
遂に発射されたのだ!!
シグマ「うおぉぉぉぉ!!地球を!みんなを!愛すべき人たちを守るため
必ず決めてみせる!!!」
ラストレイガはガウドエクスプロージョンが跳ね返されたので完全防御バリアを
展開。しかしそのバリアさえビッグバン・アスシウム光線は破壊しラストレイガに
命中する!ラストレイガは細胞の一片も残さず消滅していった。
一瞬、静まり返る…そして歓声が沸き上がった!!
中村「やった…やったぞぉー!!俺達の勝利だ!!」
神「ありがとう、みんな。…ありがとうウルトラマンシグマ…!」
雪「真悟…!勝ったのよ、私達…」
シグマは空へは飛び立たずその場でテレポーテーションで消え去った。

―――3日後
SGTは荒廃した街の復興活動と同時に通常の任務を行っていた。
桃瀬雪はパトロールへと出掛けていた…真悟を探すのを主に。
雪「真悟、あんた絶対生きてるよね…」
雪はこの3日間、散々、真悟が行きそうなとこへ向かったが何の手掛かりも
得られなかった…しかしその時、雪は思い出した!
雪「あたしたち、二人しか知らないあそこだ…!」
奥多摩山中のとあるベンチ…雪は向かう。そこには…!

「雪…!」
「真悟…この馬鹿!!」
雪は真悟に抱きつく。真悟は嬉しそうに装いながら寂しそうな表情を浮かべていた…。
「雪…大事な話がある」
「何よ?」
「…今日で君ともお別れだ…!」
「!?…なんでよ!せっかくまた会えたのに!!」
「俺は…ビッグバン・アスシウム光線の影響で完全に彼と同化してしまった」
「真悟、あんた何言って…」
「ははは…宇宙を旅したいって夢は叶うみたいだ…」
「そんな…嫌だ、そんなの!」
「ごめんな…でも、これからも会えないわけじゃない」
「でも、あなたは遠い所に…!」
「遠くなんか無い!俺は…いつでも君の近くにいる…!だから雪…」
「何よ…!」
「また、会うその時が来るまで…地球…頼むぜ…!」
「…うん!」

真悟は雪に挨拶を済ませるとベンチから離れ、胸ポケットからスパークスティックを
取り出した…!そして叫んだ!
真悟「シグマァァァ!!!」
雪の目の前に立つ、地球を守り愛した正義の巨人…!ウルトラマンシグマ…!
シグマ「シュワ!!」
シグマは叫び夕日へと飛び去った!

「真悟ぉー!!!絶対に、絶対に!!また会うんだからね!!会いに来なかったら
化けて出るぞー!!!また顔出しなさいよ…!真悟…!」

シグマは、真悟は、それでも飛び立った。地球を涙で濡らしながら。
最後にビー玉ぐらいの大きさで見える地球をもう一度、見て、二度と振り返らずに
光の国へ飛んだ。その時、雪には見えただろう。飛び去っていくシグマの、
いや、真悟の姿が光り輝くウルトラの星へと変わるのを…。
ありがとうシグマ…さようなら大和真悟…!!


                                       終わり
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