ネオアースセンチュリー66。正確な年代は不明だが、近未来。
 アンバランスゾーン現象の一環なのかも不明だが、東京郊外に作られた特設研究施設にて、
非常事態が発生していた。
 施設の中心棟を押し潰し、巨大な物体が鎮座している。直径700mほどの、メタリックな質感の、
粘土のような塊。生き物のようにうねっている。この物体の名は、『イメージマター』。
 要はナノマシンの集合体。操作する者のイメージを電気信号として認識し、そのデータを元に、
目の前に出てきて欲しいと思ったものを実体化し、機能まで再現することができる。元々は
マケット怪獣の実体化システムなどをベースにしており、これを開発した江口博士・・・ご存知、
地球防衛軍総合科学センターの所長で、防衛軍養成校研修小隊第3班の科学方面での相談役・・・
は、イメージマターによって生み出されたナノマシン怪獣に、生身の人間には出来ない力仕事や
危険な環境での作業を行わせることで、平和利用しようと考えていた。
 だが、地球征服を企む宇宙の邪悪な侵略者・ピグマ星人は、博士の助手に化けて研究スタッフに
紛れ込み、イメージマターの起動実験の本日、自在に変形する身体を制御システムと同化させて
研究施設を占拠。イメージマターのコントロールを奪ってしまった。更に、周りに手を出させず、
又、イメージマターについての情報を随時聞き出すため、イメージマター自体を要塞基地として
その中心部に江口博士を閉じ込め、人質として拘束してしまったのである。
 壁に半身が埋まって自由を奪われている江口の前で、向かいの壁にピグマ星人のどくろのような
ミイラのような顔が浮き上がり、不気味に笑う。
江口「一体何をする気だ!?」
ピグマ「ふふふ・・・私の頭脳には、古今東西地球を襲った怪獣・宇宙人達の詳細なデータがある。
それをイメージマターに入力し、私の命令で動く怪獣軍団を生み出し、地球各地を襲わせて
侵略を行うのだ」
江口「何だと!?」

 防衛軍通常兵器部隊と、今やその旗印と化している研修小隊第3班は、イメージマターを包囲
しているが、江口を人質に取られているので迂闊に手が出せない。又、ピグマ星人の意思で操られている
イメージマターは、攻撃を受けると瞬時に硬化し、通常弾は勿論、スカイホークのマグナムレイカー
砲でもダメージを与えられない。
 江口を捕らえてアドバンテージを握ったピグマ星人は、地球への宣戦布告として前哨戦を行うことにした。
イメージマターのそば、第3班の眼前に何かがテレポートしてくる。
「ははははははは!」
 笑いながら現れた巨大宇宙人と怪獣。ちょんまげを結い、時代劇の悪代官と腰巾着の悪徳商人みたいな
容姿・・・といえば。
 第3班の柴崎瞳が素早く過去のデータを出す。
瞳「代官・・・怪人・アーダイカと、悪徳怪獣エゴチ」
 ネーミングを見てちょっと言いよどむ。
瞳「かつて地球を守っていたウルトラマンシグマと交戦、結局地球侵略を阻まれ、宇宙人側の警察機構に
捕縛されたという記録があります」
高橋「それが、何故今此処に現れる?」
 ピグマ星人が手駒とするため、ジャパーズ星の牢屋から多額の保釈金を積んで釈放させて仲間にした。
しかし、アーダイカとエゴチは自分達が手駒にされているとは微塵も気付いていない。これを足がかりに
もう一度地球侵略を狙う気満々だ。

 アーダイカは、イメージマターに自分のイメージを送る。すると、彼の配下・キラレの軍団がわらわらと
実体化して涌いてきた。刀を構えた黒覆面の巨大な曲者の集団だ。
アーダイカ「ふふふ、これは面白い。この力で今度こそ地球を我らの領地とし、宇宙百万石を狙うのだ」
エゴチ「へっへっへ、その通りですなアーダイカ様」
アーダイカ「かかれい!」
 キラレ軍団が防衛軍に迫ってくる。
 防衛軍を守り、江口博士を敵から救い出さねばならない。鈴木隼人は物陰に隠れ、カイザーフラッシャーを
取り出した。
「ウルトラマンカイザー、力を貸してくれ!」
 フラッシャーを高く掲げて作動。
 眩しい光が走り、ウルトラマンカイザーの姿が聳え立っていく・・・
 その光の輝きと共に、画面一杯にロゴ出現。

 カイザーは一斉に刀で斬りかかるキラレ軍団を華麗に交わし、器用に刀を手で捌く。そして、
宙高くジャンプし、回転しながらハンドスラッシュを全方位に連射。
 着地して、間を置いて、キラレ軍団はばたばたと全員倒れた。
アーダイカ「早!!」
 まあ、確かにキラレ相手に手こずるようではヒーローとして問題がありますなとエゴチは思うが、
アーダイカの機嫌を損ねるので言わない。
 カイザーは続いてアーダイカとエゴチを睨む。
アーダイカ「う・・・ピ、ピグマ星人殿!」

(元より期待はしていなかったがな)
 ピグマ星人は自分の脳内のデータをイメージマターに流す。
 キラレ軍団に続いてイメージマターから現れたのは、巨大宇宙人と、それを守る立ち位置で
身構えている頑強そうな怪獣。
瞳「あれも、シグマと交戦した敵、サマナグ星人とバトルキングです! しかも・・・シグマを
一度敗退させている強敵だそうです!」
畠山「何だと!?」
冴島「お・・・おい、それってやばいんじゃ・・・」


「おお、出たか! ささ、はようウルトラマンを斬り捨てい!」
 命令するアーダイカだが、サマナグ星人とバトルキングにガンをつけられて思わず怯む。
イメージマターによるコピーで本物じゃないのに、既に見た目が負けている。
「あ・・・いや、戦ってくれると嬉しいなーなんて・・・」
 サマナグ星人はふんと鼻で笑うと、
「初めまして、ウルトラマンカイザー。そして残念だが、今日が君の最期の日だ」
「何・・・!?」
 バトルキングがゆっくり歩んでくる。カイザーはバトルキングを注視して構え・・・
 死角から激しい打撃を受け、吹っ飛ばされた。
サマナグ星人「相手がバトルキングだけだと誰が言ったかね」
 イメージマターから何時の間にか飛び出し、カイザーを殴った怪獣の腕らしい物体が旋回して
戻っていき、更にイメージマターから現れた怪獣の腕の断面に連結して元に戻る。
 瞳は更にデータ検索を続ける。
瞳「あれは・・・かつての防衛組織・BIDの宇宙基地を壊滅させ、その後ウルトラマンイレイズをも
窮地に陥れた、分裂凶獣・ガタストロンです! 身体のパーツを自在に分離して同時に複数の方向から
相手を攻撃できるそうです!」
冴島「どんだけ出て来るんだよ!? しかも強敵ばっかり!」
畠山「カイザー・・・!」
 カイザーは、いきなり二頭の強力怪獣を相手にする羽目になった。しかも、後ろにはまだサマナグ星人が
控えている・・・
アーダイカ「え・・・あの、わしは?」

囲まれたカイザーだが、ここで引き下がるわけがない。
瞬発力を駆使して技を避け、隙をついて攻撃する作戦に出る。
それしか方法はおそらく無いであろう。

構えるカイザー。
すると、バトルキングが破壊光線を発射してきた!
大ジャンプで避けて、着地するカイザーだが、その直後、
ガタストロンがカイザーの首を締め上げる!
苦しみながらも、なんとか脱出しようとするも、目の前から
バトルキングが破壊光線を再度発射してきた。
その光線をもろに食らってしまい、意識が遠のいてゆく。。。

ここぞとばかりに、地面に落ちていたパイプを拾い、巨大化させるサマナグ星人。
これでカイザーを刺し殺すつもりのようだ!

地球防衛軍は急いで出動するも、バトルキングの破壊光線で撃沈してゆく。
アーダイカ「ワッハッッハッ。私の力を思いしったか!」
調子にのるアーダイカは、サマナグ星人ににらまれたため、黙り込む。

そして、サマナグ星人はそのパイプでカイザーのカラータイマーを破壊してしまった!
完全に意識が飛ぶカイザー。
そのまま、腹にパイプを突き刺して、カイザーは倒されてしまった・・・・。

地球防衛軍は己の目を疑うが、まぎれもない事実である。
高笑いするアーダイカ達。

そしてカイザーである鈴木は、海に流されていた。
ボロボロになった隊員服。
手には、故障したカイザーフラッシャーが握られている。
ピグマ「もういい。ウルトラマンカイザーを倒しただけで今の所は十分だ。下がれ。」
アーダイカ「よ、よろしいのですか?」
ピグマ「先ずはウルトラマンの敗北を見せつけることで地球人を失望させ、士気を低下させる。それだけで気の小さい地球人たちは地球を簡単に明け渡すかも知れんぞ。明け渡さないようなら、総攻撃をかければいい。」
サマナグ星人らも、ピグマ星人の命令で暴れ足りぬまま渋々引き揚げる。だが直後、イメージマターに異変が生じた。突如、鬼のような未知の怪獣を実体化させたのだ。
すぐさまデータ検索を始めるが…
瞳「データにはありません。」
それは、別次元でウルトラフレンズを苦戦させたオーニンの姿であった。
復活したサマナグ星人らの、ウルトラマンに対する憎悪の念は、カイザーや防衛軍をリンチするだけでは収まらない。その強い憎悪をイメージマターがキャッチし具象化させた結果、悪鬼の姿を生み出したのだ。また、他の怪獣の戦闘イメージが作用したことで、棍棒から光線を撃つという、オーニンに酷似した能力を持つに至ったのである。
これはピグマ星人にとっても予期せぬ事態のはずだったが…
ピグマ「面白い。鬼の怪獣よ、力を見せてみろ!」
冷静に命じる。
アーダイカ「ピグマ殿、期せず新たな戦力が手に入ったのでございます。今のうちに総攻撃を…。」
ピグマ「いや、この鬼は防衛軍の足止めに利用する。総攻撃を行わなくても地球一つ簡単に滅ぼせる、と地球人に理解させ、更なるプレッシャーを与えるためにな。」


適当に暴れて周囲の戦車や兵器を蹴散らし、要塞から一定の距離の部隊を倒した後、オーニンは活動をやめて、
防衛軍ににらみをきかせている 対する防衛軍もオーニン攻撃の準備を整えてはいるも、決定的な対抗手段が無いため、手が出せずにいる


「今までの相手からすると、アレもかなり強い宇宙人と考えて、間違いないようだな・・・」
スパイダーEXを構えながら、呟く畠山
「でしょうね・・・」
「だが、やっぱ俺達がなめられてるってこたあ間違いねえようじゃねえか、諸君」
言いながら、瞳の後ろから一人の男が現れる
中年の、青い戦闘服に身を包んだ、何か、オーラの様な物を感じさせる、そんな男である
「・・・誰?」
「いや・・・わからねえ」
呟きあう畠山と瞳
「第2遊撃小隊の天川だ、本部からの要請で今来たところだ。あの怪獣は大昔に放映された特撮に出てきた宇宙人でな、ウルトラマン3人手玉にとってた猛者だ」
2人の呟きが聞こえたのか、故意に聞いたのか、2人に向かって笑顔で言う和崎
2人は思わず顔を赤らめる

「天川?そんな隊員は地球防衛軍に・・・」
「いるぜ、ほらよ」
高橋に隊員章を見せる天川、それは確かに本物で、そして、天川の名前が書いてある
「話を戻すが、俺達防衛軍は間違いなく今なめられてる、理由はわかるな」
「ガタストロンと、バトルキング、サマナグ星人が出てきていない・・・」
「そうだ、それでおめえ、なめられたまんまでいいのか?」
言って、周囲を見回す天川
「そんな事はありません!」
「そうだ、ウルトラマンカイザーがいなくたって、俺達はやれる、カイザーの仇を俺達が取ってやる」
士気を盛り上げる隊員達
それを見て、満足そうな笑顔を見せる天川
「だったら、あきらめるなよ、勝つまで」
言って、駆け去る天川
「あ、おい、隊員章」
言って、天川を追おうとする高橋
しかし、突如として隊員章が燃え上がった
「む・・」
思わず隊員章を取り落とす高橋
「ああ!」
突然、コンピューターに向かっていた瞳が声をあげる
「どうした?」
「第2遊撃隊に天川なんて隊員はいません、あの男は偽者です!」
「じゃあ、あの人は・・・」
ふと、地面に落ちた隊員章を拾い上げる冴島
焼け焦げているはずの隊員章は、傷ひとつついていない
だが、そこには地球防衛軍第2遊撃隊隊長天川とは書かれていなかった
「HEET隊員、天川?なんだこれ」

オーニンに向けて走っていく天川
「かわいい後輩痛めつけてくれやがって、覚悟しろよ」
天川の体が真っ赤に燃えていく
やがてその炎が大きな火柱になる
「な、なんだあ?」
要塞の中からそれを見ていたアーダイカがうろたえる
やがてその火柱の中から真っ赤ウルトラ戦士、ウルトラマンバーンが現れた
「「「「ゼエア」」」」
気合の篭った声をあげ、ファイティングポーズを取るバーン
オーニンも負けじと棍棒を振りかざして威嚇する


鈴木「う…うん…あっ、ここは…?」
男1「気が付いたか」
男2「寂しい浜辺にボロボロで倒れているから何事かと思ったぜ」
鈴木はこじんまりとした小屋の中で目を覚ました。
鈴木を助けた男二人の内、一人は暗くて陰惨な感じで、もう一人は明朗快活な
熱血漢という感じである。対照的な二人がなぜ一緒にいるかはわからない。

鈴木「助けていただき有り難うございます」
男2「いいって。それにしてもお前さんの着てる服、地球防衛軍の制服だな。
ってことはお前さん防衛軍の人間かい」
鈴木「そうです、研修小隊第3斑の鈴木隼人です」
男1「そうか、やはり…君か…」
鈴木「やはり?何のことです?」

そう聞いた瞬間、電源が入っていたのかテレビからニュース速報が流れてきた。
キャスター「現在、東京は怪獣、宇宙人の襲撃にあっています。ウルトラマンが
現れましたが戦況は好転しません。我々人類は最後の日を迎えてしまうのでしょうか?」
テレビには棍棒を持った怪獣と、赤きウルトラマンが映っていた。
鈴木「あれは…バーン兄さん!くそっ…行かなきゃ、うぐっ!」
男2「おいおいまだ動いちゃ駄目だぜ」
鈴木「いえ、もう大丈夫です!いろいろ有り難うございました!」

鈴木はそう御礼を言うと走り出していった。
男2「あいつ行っちまったぞ。まだ完全じゃないのに」
男1「しかもカイザーフラッシャーまで忘れていってな…まあ持って行っても
今は変身出来ないがな」
男2「ああ、カイザーフラッシャーの修理にはもう少し時間が掛かるな。
どうする暁?俺達が出るか?」
男1「いや、カイザーを復活させるためにカイザーフラッシャーの修理は
急がないといけない」
男2「だがなぁ…」
男1「心配するな真悟。もうすぐ彼がやってくる。
奇跡を起こせるあの男がな」

男二人の名は真悟と暁。異変を感じ地球に再び降り立ったかつての英雄達である。
そして地球にもう一つの光が飛んできた。奇跡を起こすような強い光であった。

その光は、バーンの元へと急ぐ鈴木の目の前で落下してきた。
驚いて後ろへ倒れる鈴木。
「何だ?宇宙人か?!」
光「あぁ。たしかに宇宙人だ。」
「敵か?!」
光「いや、私は君の仲間だ。いや、・・・兄貴だ」
そう言って、人間の姿へと変わる。
「ミラクル兄さん!!」
そう、その光はウルトラマンミラクルである宮野奇跡であった。!
宮野「この事態を聞いて、急いで駆けつけてきた。久しぶりだな。」
握手する二人。
「しかし、兄さんは何故ここへ?」
宮野「うん。実は、カイザーに伝えたいことがあるのだ。
    さきほど君があった男達からウルトラサインを受けてな。」
「僕に伝えたいこと?でも、今はそんな時間はないんです。
 一緒に、あの怪獣を倒しましょう!バーンがピンチです」

鈴木の言うとうり、バーンは苦戦を強いられていた。
棍棒で腹をなぐられ、うづくまっているところを巨大な足で蹴られ、
そのまま倒れたところを、角からの光線で大きなダメージを受けてしまう。
圧倒的な差であるも、バーンも怒りを力に変えて、オーニンをブン殴る!
そしてタイマーフラッシャーを発射!
巨大な爆発が起き、ついに倒したと思われたが・・・
棍棒で防がれていた・・・。

瞳「HEET・・・。聞いたことあるわ。」
冴島「なんだって?!じゃあ、そのHEETってやつを調べてくれ。」
瞳「えぇ。わかったわ。」
カタカタ,,,と、キーボードを打つ音が鳴り響く。
ふと窓を見る冴島。
「あ!ウルトラマンが圧倒されている!!」
目を真ん丸くして驚く冴島。
「HEET・・・。あったわ。過去に怪獣と戦った、地球防衛組織って書いてあるわ。」
と、瞳は情報を取得した。
「じゃぁ俺達と同じなのか?!」
冴島はさらに驚く。

鈴木「ですから、早く。早く行かなければ」
宮野「今のお前では無理だ。あきらめるんだ。」
鈴木「では、バーン兄さんがやられる姿を見ていろというのですか?」
宮野「先ほど怪獣軍にやられたばかりのカイザーが言えるセリフなのか?!
    それに今お前がいっても、アーダイカらが再び現れて、同じ目に合うだけだ。
    しかもカイザーフラッシャーを忘れているじゃないか。」
こればかりは宮野も厳しい。
そして鈴木は自分の持ち物をチェックすると、本当に忘れていることに気づく。
「す、すみません。」
宮野「うん。わかればいいんだ。だからまずお前は、特訓をするのだ。
    東京KS地区へ行け。そこには龍の力を持った、お前の兄貴が待っている。」
「はいっ!」
うなづいて走りゆく鈴木。
それを見届けた宮野は、ミラクルパズルを合わせて変身する!

「アンタは全く、気紛れな神だな。」
東京KS地区。ある長身のー異装のー青年が、己の身内に宿る何者かと会話していた。仏頂面で。
「ここがこちらの世界の『帝都東京』か?何の趣もない街だな。それに…戦場の匂いだ。」
(愚痴が多い。)
青年の心のみに聴こえる、その厳かな声。最強の神、龍の声だ。
「言いたくもなるさ。フウガクを倒したと思ったら『他のウルトラマンを救うためもう一度時空を超えよう』だぞ?人間には疲れというものがあってな。」
(ニンゲンの幼体…コドモの声が、時空を超えて聴こえた。ウルトラマンを願い、助けを求める声がな。)
子供たちの命が係っていると言われれば、彼も嫌とは言えない。
「…早いところ終わらせるぞ。」
(ミラクルと言ったか。奴の頼みで若き戦部の師を請け負うとはな。お前らしくもない。)
「ウルトラマンとは、因果なものだな。…さて、この場へ来るという俺の『魂の弟』とは、どんな奴やら。」
それについてのみ、青年は嬉しそうな顔をした。

オーニンの攻撃に圧倒されるバーン
「わはははははははウルトラマンバーン、お前ごときでは、このオーニンは倒せんぞ!死ぬがいい!!」
倒され、棍棒で殴られようとしている所を転がって避けるバーン
距離をとって再び立ち上がる
ついにカラータイマーが点滅を始めた
「これで終わりのようだな、ウルトラマンバーン」
あざ笑うピグマ星人
「隊長、ウルトラマンが・・・」
「くっそう、おい、冴島、ウルトラマンを援護だ」
「ああ」
言って走り出そうとする二人を制する高橋
「?教官」
「待て」
「なぜです教官、このままじゃウルトラマンが」
「俺達が今出て行っても、ウルトラマンの足を引っ張るだけだ、今はチャンスを待つんだ」
「そんな・・・」
「それに」
言って、バーンの方を見る高橋
「あのウルトラマンの目から、まだ闘士は消えていないようだ」
再びファイティングポーズをとるバーン

「聞け、ピグマ星人、お前がどんな強力な怪獣を出してきても、俺達ウルトラ戦士は、いや、行きたいと思っている人間達は負けない、なぜなら」
バーンの赤い部分が、より一層真っ赤に輝く
「俺達の中で燃えてる炎は、何かをやる動力源になってる、闘士の炎は、消えないんだよ、どんな事がおきても、俺達があきらめねえ限り、この炎は消えない、そして俺達はあきらめない!だから!この炎は、闘士の炎は揺るぎはしねえ!!」
言って、オーニンに突進するバーン
オーニンは棍棒を振り上げて迎撃の構えをとる
バーンは空高くジャンプして
「アレは!」
前もってバーンのデータを調べていた瞳の声に、全員の視線が一瞬彼女に集中する
「かつてウルトラマンバーンが東京を壊滅させた宇宙人を倒した時に使用した必殺技!」
「「「「ダイナミックキーーーーーーーーーーーック」」」」
バーンの放った必殺のけりが、オーニンの棍棒を粉砕して、オーニンの顔面をぶん蹴った
吹っ飛ぶオーニン
防衛軍陣地から歓声が上がる
よろよろと起き上がろうとするオーニンに、バーンが再びタイマーフラッシャーの構えを取る
「いっけーウルトラマンバーン!!」
爆音がして
バーンが崩れ落ちた
「オーニンを倒せた事は誉めてやろう、だが、今の貴様ではこいつには勝てまい」
バーンの後ろには、黒と黄色の金属質な宇宙人が浮いている
「あ・・・あれは」
「なんなんだ?」
「シファンセス星人」

地面でもがくバーン、そこに、ダイナミックキックの衝撃から立ち直ったオーニンが近づいていく
オーニンが虚空に手を伸ばすと、新しい棍棒がその手に握られた
「万事休すか・・・」
「とどめを刺せ!オーニン!」
オーニンの棍棒が、バーンに振り下ろされそうになった時、空の彼方から一条の光線が飛んできて、オーニンの棍棒をはじいた
その光線の先には
「おお、ミラクル」
「助けに来たぞ、バーン!」
ウルトラマンミラクルの勇士があるではないか!!
かつて地球人が変身した巨人に力を分けたように、バーンにエネルギーを分けるミラクル
バーンのカラータイマーが点滅をとめ、青に戻った
「ピグマ星人、お前の好きにはさせないぞ!!」
バーンはオーニンを担ぐと、どこかへテレポートする
「こいつは任せろ!」
「頼んだぞ」
言って、シファンセス星人と相対するミラクル
「行くぞ!!」
その声と共に、シファンセス星人の元へと走り行くミラクル。
だがバーンをも倒した強敵。
そう簡単には倒せないであろう。
ミラクルももちろんそれを覚悟している。
いくらパンチやキックで攻撃しても、ダメージがまるで無い。
ブルー光線を放っても、手のひらで防いでしまう。
バーンの時の様に、ミラクルのカラータイマーも壊す気だ。
だがミラクルだって、過去に様々な強敵を倒してきたのだ!
ここで負けるわけにはいかない。
「シファンセス星人!お前をこの手で倒してやる!」
握り拳を作り、再びミラクルは走り出した!

その突進を金属同士が擦れ合うような笑い声を上げながら避けるシファンセス星人
まるでミラクルの攻撃が意味が無いと言って愚弄するような行動である

この挑発に怒り、何としても倒そうとするミラクルだが星人の突進、
さらには不気味な色の光線を顔面に受け、もがき苦しむ。
ミラクル「駄目だ、こんな強い敵・・・俺の力で倒せるのか?」


金属質な笑い声を響かせながら、はいつくばるミラクルを見下ろすシファンセス星人
うづむくミラクルは負けるものか!と、スパイラル光線を星人の顔面へ見舞った!
こればかりは相当なダメージとなったらしく、片膝を付く。
そこを狙い、格闘戦へ持ち込む。
蹴りを連発し、強烈なチョップ!
体を持ち上げて、投げ飛ばす!
だが、星人はうまく着地し再びこちらに光線を発射してきたではないか!

2度も受けてしまったため、バタッと仰向けに倒れてしまったミラクル・・・
カラータイマーの点滅も物凄い速さになってしまっている。
(もう・・・駄目なのか・・・?)

その時、空の一部が太陽よりも一瞬輝いた!!
すると声が聞こえてきた・・・。
???「ミラクル!お前はこれごときで諦めてしまうのか?」
ミラクル「あなたは・・・?まさか・・・・ハイパワーマン!!」
ハイパワーマン「あぁ。お前が諦めかけている様子を見て、私は声を送っている。
          さあ、ミラクル!確かにシファンセス星人は強敵だ。
          だがジャーク星人、3HJ星人といった強敵をお前は倒したであろう。
          その時の勇気と奇跡をお前を忘れたのか?覚えているはずだ!
          今こそ、その奇跡を再び呼びこすのだ!」
ミラクル「・・・はい!」

激を受け、ミラクルは再び立ち上がった。


その頃・・・。
東京KS地区。元来閑静な住宅街であるこの場所は、住民がいなくなっただけで既にゴーストタウンの様相を呈している。
カイザー、いや鈴木隼人はこんな空気が嫌いだった。人間が恐怖に支配された事で発生する沈黙。
「人の温もりを感じられないのは…嫌だ…」
「随分と軟弱な弟だな!」
妙に高慢な声が沈黙をさえぎる。
「あなたは?」
「この世界の住人じゃない。ただ、お前と同じ。」
「あなたが、龍の力を秘めるという?」
「マミヤヒスイ。ウルトラマンリュウラ。」
鈴木は戸惑う。自分達M78星雲の戦士とその男は明らかに異なっていたのだ。
大体着衣からして違う。その眼光は「頼まれれば人間二、三人殺しますよ。」感が漂っている。
「僕は…鈴木隼人。ウルトラマンカイザー!」
ヒスイは用件を聞いている。鈴木が使用する変身アイテム「カイザーフラッシャー」の修理が完了するまで、彼を鍛え上げること。

ヒスイはただでさえ鋭い眼光を更に刃のようにして、構える。
「言っておくが、俺はお前を弟なんて思っちゃいない。ウルトラマン同士の友情なんてものも信じない。」
「リュウラ…あなたは…本当にウルトラマンなんですか?」
「どうでもいい。フラッシャーが直っても今のままじゃ勝てないんだろう?ならば来い…俺を倒してみろ。」

と、挑発しておきながらヒスイは先制攻撃をかける。本当に容赦がない。その蹴りの一発一発が的確に鈴木の体を捉える。
一通り蹴り終わり、鈴木がダウンしたところを踏みつけにする。
「フン、戦い方も軟弱だな。これでは負けたのも当然か。それとも、この世界のウルトラマンとやらは全員この程度なのか?」
鈴木隼人は英雄、ウルトラマンと同化した事に誇りを持っている。長い間ウルトラマンに救われてきたこの星の人間として。
「リュウラ…ウルトラマンを汚すってことは、この星の歴史や素晴らしさも汚したってことなんだぞ!」
鈴木隼人は怒り、ヒスイに猛攻撃を仕掛けてきた!感情の爆発は時に人間の能力の極限を越える。
ヒスイは今度は防戦一方。ガードに専念しつつ、微笑む。
(そうだ、次は俺のアゴを蹴り上げろ!)
鈴木はヒスイの思惑通り、彼のアゴにハイキックを放つ!が、これをかわしたヒスイは鈴木の背後に回り、首を締め上げる。
しかし、怒り心頭の鈴木はハイキックの反動で、背後のヒスイの腹部に蹴り込んだ。
動きの鈍ったヒスイを一本背負いで投げ飛ばす!

起き上がったヒスイは、鋭いながらも柔和な表情を浮かべる。あっけにとられる鈴木。
「ガタストロンって奴に羽交い絞めにされたところを、バトルキングって奴の光線でトドメ刺されたんだったな。」
「じゃぁ…その対抗策を作らせるために…」
「どうもこの世界、この時代の人間は甘ちゃんが多い。シグマやイレイズって奴らとは会っているんだが、
奴らに比べてお前は若く、優しい。お前を本気にする必要があったんだ。俺が教えてもよかったんだが、それじゃ身には付かないだろ?」
「ありがとう…リュウラ兄…?あれは!」
KS地区に巨大なエネルギーが集結。そこから現れたのは…
「ギアロ!」
「…兄さん、あんな怪獣は僕たちのデータには…」
「当然だ、俺が闘った、『邪仙』なんだからな…」
どうやらヒスイが時空を越えた際、レイハが持つギアロの資料が一緒に来てしまっていたらしい。そのデータを分析し、実体化したようだ。
現在、東京は怪獣軍の襲撃で多くの犠牲者が出ている。
「その怨念を食って膨れ上がる気か!」
ミラクルはシファンセス星人と、バーンはオーニンと闘っている最中。鈴木は知らないが、
シグマとイレイズはフラッシャーの修復で一杯いっぱい。
「ハヤト、いや、カイザー。最後の特訓だ。俺の戦いを見ておけ…別世界に住む、全く異なるウルトラマンの戦いを。」
そう言ったヒスイの手に、光が集束、変身アイテムらしい物が現れる。
「君が宿主、マミヤヒスイの名において命ずる。龍、明、和合すべし。出でよ、リュウラ!」
言い終えるや、そのアイテムが光を放つ。ヒスイの体は見る間に「龍」へ変わる。
そして龍は空中で、見たことのない蒼きウルトラマンの姿へ転じた!

 海岸沿いの小屋では、真吾と暁がカイザーフラッシャーの修復を急ピッチで行っていたが、
「余りもたもたしてはおれんな」
 暁は立ち上がると、バリアブレスを左腕に現出させ、そこから光のエネルギーを放つ。
真吾「暁、何を!?」
 エネルギーはカイザーフラッシャーに照射され、フラッシャーの破損が段々修復していく。
使用できるまで後少しという所まで直った。
 その後、暁はそのままウルトラマンイレイズに変身。だが、エネルギーをフラッシャーの
修復に大量に使ったため、等身大のままで巨大化できない。なのに、
「真吾、お前はフラッシャーの修理を続けてくれ。これでもう後少しで直るはずだ。俺も
一足先に敵との戦いに参加してくる」
「しかしお前・・・その不十分な状態でどうする気だ!?」
「こうしている間にもミラクルやバーンが敵の攻撃に苦戦している。悠長にはしていられない。
それに、この状態でもやりようは色々ある。というか、今はなくても捻り出さねばならんときだ。
頼むぞ」
 イレイズは戦場に向けて飛んでいく。
真吾「暁・・・イレイズ!!」

 イレイズにはある策があった。幾らなんでもこの状態で巨大怪獣と正面からやりあう気はない。
元々は実験用のナノマシンだったイメージマターは、現在もまだ研究施設跡と動力パイプで
繋がっている。その動力パイプか動力源を潰せば、少なくとも現在敵の拠点であるイメージマター
へのエネルギー供給は絶てる。そのため、適当な地下通路の入り口を探し出し、そこへ入って
地下施設を目指す。
「序でに江口博士も救出できれば御の字だが・・・」

 イメージマター内部。
 ピグマ星人は、ウルトラマンの一人が接近してくるのを察した。憂いを絶つため、アーダイカと
エゴチに迎撃の命令を下す。
アーダイカ「し、しかし、キラレどもは皆やられてしまって・・・」
エゴチ「何か代わりの戦力がないことには・・・」
ピグマ星人「安心しろ。あの雑兵どもよりはもう少し使える手駒を与えてやる」

 イメージマター直下の地下施設の壁やパイプの隙間から、大量のナノマシンが漏れ出してくる。
そして、次第に形を取っていく。
 人間サイズの無数のガタストロンとなり、迎撃準備を整える・・・

イレイズがみんなの援護に向かい、シグマ=真悟はただ、今自分に
出来る事としてカイザーフラッシャーの修復を進めていた。

真悟「エネルギーを分け与えてくれたイレイズのためにも、今死ぬ気で戦っている
みんなのためにもフラッシャーを早く直さなければ…」
真悟も本当はイレイズより先に飛び出してみんなを助けに行きたかった。
真悟の性格を知っている者なら分かるだろう。
だが、この緊急事態。みんなして個人の感情に走れば逆に怪獣軍団の思うツボである。

とにかく今はフラッシャーの修復に集中するのみである。真悟は最後の仕上げに
入った。そして…

真悟「よし!これで隼人はまたカイザーに変身出来る!あとはこいつを隼人に
届けるだけだ。急がねば」

真悟はバイクに飛び乗りKS地区に急いだ。その頃、KS地区ではリュウラとギアロの
激しい戦いが繰り広げられていた…。

「あの戦士は既にギアロとの交戦経験があるようだな・・・」
ピグマ星人はモニターの向こうで戦う、ギアロとリュウラを見ながら呟いた
実際、ギアロは押されている
「ならば、別の者を向けるまでだ」
言って、ピグマ星人はイメージマターにイメージを送る
「暗黒の闇よりいでし魔王よ、異世界の戦士を切り殺してしまえ」
ピグマ星人の念で、KS地区の空に暗雲が立ち込める
やがてその暗雲の中から、かつて地球を侵略せんとした闇の魔王
ジャーク星人が姿をあらわした

一方、MD地区
広大な平原にて、バーンとオーニンの戦いは続いていた
金棒で吹っ飛ばされたバーンが大地に横たわる
既にカラータイマーは赤に変わり、動きも疲れを感じさせている
比べてオーニンはダイナミックキックを喰らったにもかかわらずほとんど登場した状態と変わっていない
彼の名誉のため説明させてもらうが、決してバーンが弱いのではない、複数のウルトラマンを同時に相手にできる、
オーニンが強いのだ
なんとか立ち上がり、構えをとるバーン、だが、次にダイナミックキックなりタイマーフラッシャーなりを発射すれば、
恐らくエネルギーは底をつくだろう
しかし、満身創痍のオーニンにタイマーフラシャーやダイナミックキックを放っても、倒せるかどうか疑わしい
一か八か、バーンがタイマーフラッシャーの構えを取った、その時だった
空の彼方から数十発のミサイルがオーニンに降り注ぎ爆発する
思わず怯むオーニン
その一瞬の隙に、バーンはオーニンの無防備な体にタイマーフラッシャーを発射した
もろにタイマーフラッシャーを喰らったオーニンは断末魔と共に爆発する
戦いが終わり、膝をついたバーンが空を見ると、防衛軍の戦闘機が編隊を組んで飛んでいるのが見えた
(また地球人に助けられたな・・・)
そのままバーンは倒れ、意識を失う

 イメージマターの地下施設。
「後少しなんだが・・・」
 ウルトラマンイレイズの後ろには、等身大ガタストロンの屍の山が積み上げられている。だが、
まだ半分強の数のガタストロンが動力部を守っている。イレイズは正直立っているのも辛い。
カラータイマーの警告音はどんどん早まっていく。それでもよろよろと動力部に歩み寄ってくる。
「馬鹿な・・・もう全身ボロボロのはず! 何で貴様はそんな状態で戦えるのじゃ!?」
「判らんのか」
 恐怖しているアーダイカにイレイズは言う。
「俺を突き動かしてくれるものが・・・今他の場所でも命がけで戦っている、魂の兄弟達との
絆があるからだ」

 その辺がインサートされていく。
 捨て身で強敵を倒し、力尽きて倒れているバーンや宮野。
 ギアロを相手にしているリュウラの戦いを懸命に見届けている鈴木。その現場にカイザーフラッシャーを
届けるためにバイクを飛ばす真悟。
 イレイズに現場が見えているわけではないが、彼らの奮闘振りはウルトラの魂に直接伝わってくる。

「お前にはそれがあるのか」
「何・・・!?」
 動揺するアーダイカ。


 イレイズの語りをうざく感じたピグマ星人は、声を地下に送る。
「戯言に一々耳を傾けるな、アーダイカ。さっさとそいつを始末しろ。獄中から出してやった恩を忘れた
わけではあるまいな。少しは役に立て」
 居丈高に言われ、アーダイカのプライドが容赦なく傷つけられる。へこんでいる彼にイレイズは続ける。
「このままここにいたら、ずっとあいつにコケにされっぱなしだぞ」
「な・・・何を」
「それより、俺達のところへ来ないか。多分、宇宙百万石への道が余程近くなるぞ。誰も見下したり傷つけたり
しなくても・・・」
 そこまで言ったところで、イレイズは突然の砲撃を食らい、吹っ飛ばされて転がった。
 何事かと見回したアーダイカは、今の攻撃を手下のエゴチが行ったのだとやっと気付く。エゴチは、
ピグマ星人に与えられたバズーカ砲を抱えている。
「焼きが回ったようですな、アーダイカ様」
「何・・・何だエゴチ、わしに向かってその口の聞き様は!?」
「私はもっと高みを目指すのです。あなたは何時までもどん底で這いずっておられればよろしい。へっへっへ」
 ガタストロンの軍団も、エゴチの周りに集まってくる。愕然とするアーダイカ。


 一方、イレイズはまだ立ち上がる。最後の力を振り絞って。襲い掛かるガタストロンの群れに殴られ蹴られて
吹っ飛ばされつつ、その衝撃を使って少しずつ移動し、機を伺っている。
 ある足場を確保したところで、
「往生際の悪い!」
 エゴチがバズーカを撃つ。爆発でイレイズは又高く飛ばされる。だが、彼はそのタイミングを待っていた。
飛ばされる瞬間、力の入れ加減を調整し、動力炉の中枢部へ飛ぶ。
(魂の兄弟達よ、俺はお前達を信じる。お前達も、俺を信じてくれ!)
 爆風の勢いを乗せ、イレイズはバリアブレスソードを突き出し、動力炉の制御装置にソードの先端からぶつかり、
更に全体重も乗せて身体もぶつけ、破壊した。
エゴチ「ああっ、しまった!?」
 動力炉が一斉にショートを起こし、停止していく。あちこちで爆発も連鎖し、ガタストロン達が次々巻き込まれる。
エゴチ「おのれ・・・!」
 全滅する前にエゴチはガタストロン軍団を引き上げ、イメージマターへ撤収。
 置き去りにされたアーダイカは悲鳴を上げて逃げ回っている。
(江口博士の救出まではちょっと無理か・・・皆、後は頼むぞ)
 動力炉上部から落ちてきたイレイズは、床に叩きつけられ、力尽きた。

 戻ったエゴチから報告を受けるピグマ星人。
「少々面倒なことになったが・・・まあいい。ならば、代わりの動力源を探すまでだ」
 巨大なイメージマターが研究施設跡から分離、浮上。そして轟音を立ててゆっくりと反重力飛行。次の動力源を
求めて移動を開始した。


隼人は圧倒されていた。その蒼き巨人、リュウラは徹底的に攻撃に特化した戦闘スタイルをとる。そこには慈悲の欠片も感じられない。
が、当のリュウラは以前のギアロと少々勝手が違うことが気になっていた。
リュウラの世界に比べ、この世界は非常に恵まれた物質文明を誇っているということは、そこに発生する欲望もまた大きい。
物質的な欲望に支配された死者の怨念、それがギアロを活性化させているようだ。
「その欲望なら…俺が断ち切ってやる。」
ギアロの放つ火炎弾をドラゴンフィールドで跳ね返し、更にその背に乗る。
そのままギアロに突進し、シャイニングヴァイパーを振るう!
「突撃龍光牙ドラゴンシャイニングヴァイパー」である。ウルトラマンにしか視覚できない超光速の一太刀。
ギアロは、一瞬のうちに消滅した。隼人はまたも圧倒されていた。その蒼き巨人の闘い方が余りにも自分達と違いすぎるから、というだけではない。
リュウラはギアロを物理的に切断しただけではない。己の剣に込めた「断ち切る」という念で、ギアロの邪悪なる魂と、吸収された死者達の欲望。その繋がりをも切断したのだ。
その勝利を見、隼人は、カイザーは思う。
「ウルトラマンの光線は、標的を破壊するだけの武器じゃない。正義や怒りを込め、必ず悪を打ち砕くという、ウルトラマンの魂の奔流なんだ!」
自分の最強必殺技メテオスペシウムは、伝説の勇者に伝授された誇り高き技である。スペシウムの名を汚すわけにはいかない。
隼人は、己の魂を乗せたメテオスペシウムで今度こそ勝利を手にすることを誓うのだった。
ギアロの断末魔の声を背に聞きながら、リュウラは心の中で呟く。
「この技…ジンのままでも使えたのか…」

と、そのリュウラを一条の光線が襲った!そこにいたのは…
「魔王、ジャーク星人!」
かつてミラクルを生命の危機にまで陥れた強敵…
「邪悪聖人か。魔王に相応しい倒錯した名だな。」


どこまでも軽口を叩くリュウラ。だが、その動きには先ほどのようなキレが無い。
敵の放った邪悪破壊光線は、リュウラにかなりの深手を負わせていたのだ。
高速で蹴りを連発し、何とかジャーク星人を牽制するリュウラ。辛うじて戦況を好転させていく。
が…ピグマ星人は尚も刺客を送り込む。それは、オーニンとガタストロン達の怨念。
これをジャーク星人の魔力でKS地区へ召喚する。その怨念に喰らいつく、ギアロの邪悪な魂。
そしてギアロは、ハガネギアロと化して再生する!
ハガネギアロの鎖鎌で更なる痛手を負うリュウラに、ジャーク星人が邪悪破壊光線を照射する。
「これでは…リュウラ兄さんに勝ち目は…」
隼人の心に生まれたのは、恐怖か。
「なぁハヤト、お前は何故闘うんだ?」
突如、リュウラの、ヒスイの意思が語りかける。
「ひょっとして地球と人類を自分の手で守り抜こうとでも思ってるんじゃないのか?」
当然だ。それがウルトラマンの使命である。だが、ヒスイはそれを否定する。
「お前一人で守れるものなんて、限られてる。お前が、真に守りたいものは何なんだ?」
少なくとも、目の前で傷だらけになるリュウラ自身地球の、美しい景色。そして、防衛軍の仲間達。
「難しい事は考えるな。守りたい奴が一人でもいるなら、命を捨ててソイツを守る。だから俺たちは闘う。そうは、思わないか?」
そう言いつつも、リュウラは見る間に弱体化してゆく…そこに、ボロボロになったバイクが現れた。
「たく…酷い道だな。カイザー、約束のモンだ。異世界の兄、リュウラを助けてやれ!」
バイクの男、大和真悟は、隼人にカイザーフラッシャーを手渡した!

立ち上がるミラクルを見て、星人は金属質な笑いを上げるのを止めた
ミラクル「シファンセス星人、今度こそお前を倒してやる
威嚇音の様な叫びをあげ、構えを取るシファンセス星人
ミラクル「いくぞ!」

再びダッシュするミラクル。
それをものともせず避ける星人だが、2度も失敗するミラクルではない。
避けられた直後に後ろへ飛び、星人の頭上にきたところで強烈に踏みつける!
さらにミラクルが着地した直後に、一度は防がれたブルー光線を体全身にかけて浴びせる。
すると、星人の顔や体に傷が!星人も負けじと、光線を連発!
それを側転で避けてゆくミラクル。
連発される光線を避け終えた直後に、ミラクルが猛スピードで飛び蹴りをかます!
この一撃で星人の首が外れかけた!
「キェエエエエエエエエエエエエエエエエエ」
絶叫をあげるシファンセス星人

ミラクル「トドメだ!」
全身にパワーを集めた、ミラクル怒りの必殺技”ウルトラ・バクハツ”で使った!

真っ赤に燃える体中で、そのままシファンセス星人にぶち当たった。
1・・・2・・・3秒後、シファンセス星人は大爆発と共に消え去った。
出来る限りの力を振り絞り、見事ミラクルは勝ったのであった。
「ありがとう・・・ハイパワーマン!」意識が遠のいてゆくミラクル・・。

辛うじてシファンセス星人を倒し、そして力尽きて倒れている宮野。
その近くに、別の人物も倒れていた。四人の若い男達。
深手を負っている宮野より先に目を覚ます。
水野光「あれ? 何処、ここ?」
炎厚樹「知らねえよ。急に爆発が起こったと思ったら、なんか妙なとこに・・・」
木野広樹「ん? おい、俺達以外にもなんか人が倒れてるぞ」
水野「あ、本当だ。ひどい怪我じゃないか。おい、しっかりしろ」
三人の男は宮野に近寄って助け起こす。残りの一人、属晴夜はなんか
ぐずぐず渋っていたが、四人の中で唯一仲がいい水野が頼んだので
渋々宮野を助けるのを手伝った。人見知りな性分らしい。
この四人の正体、四人の光の巨人・ウルトラフレンズが、かつてウルトラマン
ミラクルと一度共闘していることを、此処にいる一同全員知らない。
前はウルトラマンに変身した状態でしか顔を合わせていないからである。

宮野のダメージは深く、中々目覚めない。四人は手当てしながら周辺状況を見ているうちに、
周りの街や野山が結構な惨状になっていることに気付いた。どうも複数の怪獣や
宇宙人によってこの事態は起こったらしい。
「となれば、放ってはおけないな」
「まあ俺らウルトラマンだし」
水野と木野はそう感じた。

そしてウルトラフレンズ達は、ワープしてしまったこの世界から
抜け出す手がかりを探すと同時に、怪獣・宇宙人を探すべく、宮野をおぶって歩き始める。
水野「しかしこの青年は、なぜこんな怪我をしたのだろうか・・・」
火厚「怪獣にやられたんではないか?」
属「しかし〜、普通の人間がどうなれば、怪獣によってこんな惨事に合うのだ?
  普通の人間だったら死んでるはずだ。なんせ怪獣に踏みつけられたとしか言いようが無い怪我だ・・・」
木野「もしや、ウルトラマンでは?!」
水野「なに?あ・・・そういえば、ずっとまえに、ゼッコロイドによって今と同じように時空を飛び、 
    他のウルトラマンを見たことがあったな・・・。たしかミラクルといったな。」
その声に宮野はついに目を覚ました。
宮野「う・・・お、おれのことを・・・・しって・・いるのか?」
驚く4人。
まさか本当に、しかもこの青年が、ウルトラマンミラクルだとは、と。

火厚「まさか、あんたがウルトラマンミラクルなのか?
宮野「はい。しかし何故僕の招待を?」
水野「いや、わかったわけではない。だが君が倒れていて、そのあまりにもひどい
    怪我の仕方から、一般人だとは思わなかったんだ。」
そんなうつむく4人を見て、宮野はパッと笑顔を浮かべて、
「あなたは、あのときの!」
宮野も覚えていたようだ。
握手する宮野とフレンズ。

属「それにしても俺らはどうすればいいんだ?」
宮野「あ、もしかして・・・また別次元に来てしまったんですか?」
属「そうなんだよ。」
宮野「原因は?」
属「怪獣かもしれない。。」
宮野「なんてことだ!ウルトラフレンズ達をまたも別次元に飛ばす奴はひどいもんだ」
何もわかっていない5人・・・。

宮野「あ、とにかく僕は仲間のもとへいかなければならない。
    リュウラとカイザー達は大丈夫なのだろうか・・・。」
木野「みんなで行こうじゃないか!」
水野「あぁ。いくら別次元とはいえ、平和を乱す奴は俺らが許さないぜ。」
宮野「みんな!・・本当にありがとう!」
そういって、走り行く5人。

すると大きな足跡が!
その足跡を辿ると、巨大な怪獣が・・・
水野「ゼ、ゼッコロイド・・・。」
なんとそれはゼッコロイドEであった・・・。

宮野「くそー!なんでこんなときに限って・・・」
そう言って、あまりに大きなダメージが残っているのにもかかわらず変身しようとする。
すると、フレンズが止めた。

「ここは俺らにまかせろ!」

そのまま4人は変身した。。。
フレンズの変身した姿を始めてみる宮野。
「ありがとう・・・。本当にありがとう!」
そういって、KS地区へと走った。

そして、ゼッコロイドVSフレンズの戦いが再び始まった!

フレンズはゼッコロイドとたかかう。
ウォータ「ってなんでこんなトコにゼッコロイドでんだよ、絶交星人のせいか?」
ヒート「知るかよ、まあ、ゼッコロイド作れるのは絶交星人だけだけどね。」
その理由は、イメージマターが絶交星人の能力をコピーしたからである。
ウォータ「まあ良いけど・・・光線技全部防がれたんだけど・・・」
ゼッコロイドEのEは、エネルギーのEなので、吸収されてしまうのだ。
ウォータ「まあ、ウォータブレード!」
こう呼んで、剣を出し、持つと、鎧が着いたではないか!
ウォータ「ウォータ、ストリームヴァージョン!」

苦戦するリュウラと見守るしかない隼人の前に一人の男が現れた。

真悟「たく…酷い道だな。バイクがボロボロだぜ」
隼人「あなたは…さっきの…」
真悟「よっ。お前にこいつを届けに来た」
そう言うと真悟は修復が完了したカイザーフラッシャーを取り出し、隼人に渡した。
隼人「カイザーフラッシャー!これでみんなを助けにいける!!これを修復出来るということは
あなたともう一人の方は…!」
真悟「あいつはウルトラマンイレイズ、明野暁。そして俺は…大和真悟、ウルトラマンシグマ!!」
隼人「シグマ兄さんだったんですね!人間体で会うのは初めてだったので気付きませんでした」
真悟「そうだな。隼人!お喋りはここまでだ!俺達にはやることがある!!」
隼人「はいっ!!」
真悟「よし!行くぞ…シグマァァァ!!」

隼人はカイザーフラッシャーを、真悟はスパークスティックを掲げ、二人を光が包む
次の瞬間、エース顔のウルトラマンと若きウルトラマンがそそり立っていた。
シグマ「リクライン光線!」
シグマがそう叫ぶと、リュウラに向けて光線が発射された。リュウラの傷はみるみる治っていった。
シグマ「リュウラ、俺はこの類いの専門じゃないから完全ではないが、動けるようになったんじゃ
ないか?」
リュウラ「ああ、すまないな。カイザー、特訓の成果を見せてみろ!」
カイザー「ええ!今度は必ず勝って見せます!!」
三人のウルトラマンはファイティングポーズを取る
ジャーク星人「ミラクルの仲間、シグマにカイザーか!異世界のウルトラマンを
あと少しで倒せるところを邪魔しおって…!」
シグマ「住む世界は異なれど俺達は全員、同じ想いを持ったウルトラマンだ!仲間が
倒れたら誰かが起こし、道に迷えば道を標す!どんな時でも途切れない絆を
持っているんだ!!」


東京KS地区へと走っていた宮野だが、シファンセス星人との戦いで負った
深手が響き、足が鈍ってくる。そうでなくても、真悟がバイクで相当苦労して
辿り着いた場所である。遂に膝を付く。
「くそ・・・動け、僕の身体! 奇跡を・・・奇跡を今此処に!」
「しょっちゅう起こったら奇跡とは言わないでしょ」
声を掛けられて宮野は振り向く。そこには、涼しい笑みを浮かべた若い
美女が立っていた。
女性は手を前に出す。すると、柔らかい光が手から宮野に走り、傷を忽ち
癒していく。宮野は回復した。
「おお・・・奇跡だ!」
「そんな大それたものではありません。『必然』と言います。地球の平和を
守るため、ウルトラ戦士が助けを願った。だから私は此処に現れた」
「まさか、貴方は銀十字軍の」
「ディアナ。地球での名を、秋月さやかと言います。初めまして、奇跡の国の
勇者・ウルトラマンミラクル」
イレイズの救援要請を受けたディアナが、やっと到着したのである。
「ところで、イレイズは?」
「え? いえ、今回地球に来てからはまだ顔を合わせてませんが」
「えっ・・・」
さやかは忽ち不機嫌な顔になる。
「あいつ・・・又スタンドプレーで先走って勝手なことしてるわね・・・」

瓦礫の山となった研究施設跡の地下。といっても、イメージマターが飛び去っていったので
今は青天井となっている。逃げ回っていたアーダイカはかすり傷で済んだ。こっちのほうが
奇跡かも知れない。
「お前らに協力しろだと!?」
そんなアーダイカを、イレイズ・・・から人間体になった明野暁はまだ勧誘している。
満身創痍で倒れたままでだが。
「ふざけるな! わしは地球侵略に来たのに、何故お前らに協力せねばならん!?」
「さっきも言っただろう。このままピグマ星人側にいてもずっと下っ端でいいことないぞって」
「ぬ・・・」
そう言われると弱い。
「それよりも、地球の救世主となって人々の支持を得たほうが絶対天下を取る近道だぞ」
「・・・わしは悪の宇宙人だぞ! 今までもずっと悪いことをしてきたんだぞ!」
「動機や経緯なんか助けてもらう側にとってはどうでもいい。今お前が此処で何を
するかが重要なのだ」
「ぬうう・・・」
「さあどうする。宇宙の千石大名様」
「ぬ?」
アーダイカは表情を変えた。
「わしが千石大名?」
「ははっ。時代は貴殿を求めておるのです、殿。強く優しき英雄としての殿を」
「強く優しき英雄・・・!!」

アーダイカは気をよくしてあっさり乗せられ、傷付いた暁を担いで地下施設から外へ向かって
歩き出した。

リュウラはジャーク星人に、シグマとカイザーはハガネギアロに向かってゆく。
怨念を養分として強化するギアロを、宿敵であるリュウラと闘わせるわけにはいかないからだ。
「ふむ、異世界のウルトラマンか。今度こそ抹殺してやる…我が魔界の剣を受けるが良い!」
大剣を振るい、リュウラへ切りかかってゆくジャーク星人。リュウラはその剣をかわしつつジャーク星人の頭部をキック!
よろめいたジャーク星人は突如マントを広げ、そこから照射する光線でリュウラを捕縛!
さらに周囲を闇に包み込む。
「動けまい?この闇の中では、ウルトラマンという生き物は一分しか活動を維持できないのだ。」
その通り、リュウラの、そしてシグマとカイザーのカラータイマーも点滅を始める。
「シグマ兄さん…一分しか保たないって!」
「なら、一分で決めりゃいい話だ!」
シグマは空間からシグマソードを召喚、ギアロの鎖鎌を払う!その隙にカイザーは、タイマーショットでハガネギアロ本体を狙う!
だが敵は、火炎弾を発射しタイマーショットを迎撃。その上、鎖鎌とは違う触手を伸ばしカイザーを絡めとる!
バーチカルギロチンで触手を切断しようとするシグマ、だが火炎弾が軌道を変えシグマを襲う!
その隙に鎖鎌がカイザーの背中へ迫る…カイザーはふと冷静になる。
(背面の敵に蹴り込み、怯んだところを一本背負い…)
その意思を読んだシグマはテレパシーで助言を放つ。
(マイベストヒーローの必殺技だ…『電撃キック』を使え!)
瞬時に右脚にプラズマを集中させるカイザー。更に、リュウラに教わったものをアレンジ。
空中電撃後ろ回し蹴り 「電撃スピンレッグ」
で鎖鎌を蹴り飛ばした!武器が蹴り飛ばされた上感電し、怯むハガネギアロ。
カイザーはその触手を掴み、全力で一本背負いを決めた!

一方、ジャーク星人は捕縛されたリュウラに邪悪破壊光線を浴びせる!
「私の、勝ちだな!お前を倒した暁には、今度こそこの惑星を我が魔界へ…」
「ソイツは、俺が本気を出した後に言え。」
突如、リュウラの胸の装甲が光る。と、捕縛光線が破られた!
脱出したリュウラはゲキに変身を完了していた。
「シグマ兄さん!リュウラ兄さんが、フォームチェンジを!」
「別世界のウルトラマンだからな…能力だって異なる。」
急ぎ魔界の剣を振るうジャーク星人、しかしその眼前から、一瞬にしてリュウラは掻き消えた。
驚くジャーク星人。しかも、己の腹部から亀裂が生じ始めているのを発見する。
リュウラはジャーク星人の背後にいた。剣をかわすと同時に超光速の膝蹴り「破邪龍剛脚ドラゴンカムイ」
を打ち込んでいたのだ。
「うぬ…我が邪悪破壊光線、喰らうがよい!」
「遅い!」
リュウラは光の球弾「裁邪龍光弾シャイニングボム」を放つ!炸裂したそれは、膨大な光の奔流を生み出し、ジャーク星人を呑み込んだ。
「ぬあぁ!だが…まだ終わりはせん!最後の希望、イメージマターよ…後…は…」
ジャーク星人は消滅、発生した闇も全て消え去った。

感電したところを投げ飛ばされ、動きのままならないハガネギアロ。
「決めるぞ!」
「はい!僕の、魂を込めて…」
「アスシウム光線!」
「メテオ・スペシウム!」
二条の光線が、ハガネギアロを三度虚空へ送り返した。

だがリュウラは、既に満身創痍。
「さっきの姿は、爆発的な攻撃力を発揮するが…俺自身にも負荷を与える…
変身を維持できん。シグマ、カイザー、後の奴は頼む…」
リュウラはヒスイの姿に戻り、意識を失う。
だが、残されたシグマとカイザーの背後に、バトルキングが迫っていた…

 イメージマターから空間転移してきたバトルキングは、必殺光線を放った直後で隙の出来たシグマと
カイザーの背に不意打ちの打撃を食わせ、地に叩き伏せた。両者がダメージを受けたところに更に
打撃の追い討ちをかける。
「ははは、大技を使った直後でエネルギーを消耗しているお前達を倒すなどたやすいことだ」
 後方にはサマナグ星人も立っている。
 宮野とさやかは、その状況が遠目に見られる地点までやってきた。
「ああ、シグマとカイザーが!」
「イレイズ、あなたこんなときに何してるのよ!?」
 さやかは、暁にテレパシーを送って状況を伝える。

「別にさぼってたわけじゃないんだが」
 研究施設跡の地下からアーダイカに運ばれて出てきたところで、暁はテレパシーを受けた。
暁「援護に行かねばならんな」
アーダイカ「しかし、どうするのじゃ。お前もひどいダメージを負っておるし」
暁「等身大ウルトラマンへの変身が出来るくらいの余力は残っている。それに、考えがある。殿、
早速手を貸してもらうぞ」
アーダイカ「どうしろと?」
暁「敵と戦えとかいう面倒なことではない。巨大化して、KS地区の方角に向けて俺を思い切りぶん投げてくれ」
アーダイカ「何じゃと!?」
暁「初速が乗れば後は現地まで飛べる。その後は自分で何とかする」
アーダイカ「しかし、それではお前が」
 と、倒れこんだ二人の巨人に、バトルキングが爆熱光線を吐こうと口をゆっくりと開いている光景が
暁の頭に入ってくる。
「急いでくれ!」


 巨大化したアーダイカは、暁を掴んで思い切り放り投げた。
 飛んでいく暁。現地にぎりぎりまで近づいてから等身大のイレイズに変身。そして。
 バトルキングが吐き出した、爆熱光線の前にそのまま入り込んだ。無論、すさまじい光と熱の奔流に飲まれる。
シグマ「何・・・馬鹿な!?」
カイザー「イレイズ兄さん!?」
 地上の宮野とさやかも驚愕。ウルトラマンイレイズ、一巻の終わりと・・・
 ならない。
 等身大の大きさで爆熱光線を遮断できるはずも無く、そのままシグマとカイザーにも届くはずなのだが、
二人は無事。
 タイマードレインによって、爆熱光線がどんどんイレイズのカラータイマーに吸い込まれているからだ。
サマナグ星人「な・・・何だと!?」
 イレイズは忽ち回復して巨大化し、それどころか、全身から光が迸ってパワーアップしていく。逆に、
バトルキングは力を吸われて弱体化し、立っていられなくなって両膝を付く。
サマナグ星人「バトルキング、爆熱光線を止めろ!」
 しかし、既にイレイズが光線の軌跡を綱引きのように手で掴んでいて止められない。そのままイレイズは
光線と繋がっているバトルキングを振り回し、サマナグ星人に叩きつけて両方とも卒倒させる。
「不運だったな。さっき散々袋叩きにされた憂さをお前達で晴らさせてもらうぞ」
 イレイズは偽アグルとか偽メビウスとかばりの情操教育によろしくない邪悪な笑みで口を歪ませ、
二体の敵にマウントポジションになってイレイズアーツでボコり始めた。
サマナグ星人「ぎゃーーーーーッ!!」
ピグマ星人「いかん! 戻って態勢を立て直せ、サマナグ星人、バトルキング!」
 ボコボコにされた両者は、移動中のイメージマターに空間転移で一旦戻された。

 負傷したヒスイ、力を消耗した真悟と隼人は、さやかのサイキックケアと、暁がバトルキングから
ギッた大量のエネルギーも足して補充され、三人とも回復した。寧ろ調子がよくなった。
 しかし、今回の敵軍団を倒すには、不安材料を除くためにも更に戦力を充実させる必要がある。オーニン
との戦いで負傷して倒れている天川を探し出して回復させ、又、宮野と知り合いのウルトラフレンズの
戦闘現場に向かい、彼らも仲間に加えねばならないだろう。

 イメージマター内では、ダメージを受けたサマナグ星人とバトルキングの回復作業が行われている。
先に作業を始めたガタストロンは既に元の力を取り戻し、待機している。エゴチは引き続きガタストロンの
指揮役となった。そして、イメージマターは新たな動力源を求めて空を飛んでいく・・

 怪獣軍団の機動要塞と化したイメージマターは、失われた動力源の代わりを手に入れるため、
次の目標を関東沿岸のコンビナート地帯に定め、上空を飛んでいく。
 地球防衛軍の大部隊はこれを迎撃するため、コンビナートを守る形で陣を配置。だが、
イメージマターの放つ怪獣軍団の前に何処まで守りきれるかは疑問である。怪獣軍団に対抗
するために散発的にウルトラ戦士達が出現しているが、バーンやミラクルやリュウラは怪獣と
共倒れ同然で姿を消し(人類側からはそう見えている)、フレンズは別地点でいまだ
ゼッコロイドと交戦中。ウルトラマンの守りさえ絶対ではない状況だ。
 だが、謎の男・天川の言葉を受けた第3班の一同は既に腹を据えている。ウルトラマンの
助けがなくとも自分達は戦い抜く、戦い抜かなければならないという覚悟を決め、防衛軍の
結束の礎となっていた。
高橋「問題は、どうやって江口博士を救出するかだが・・・」

 イメージマター内の指令室の中で、拘束された江口は重い表情を崩さない。
(第3班の諸君、私の事は構わん。この要塞に巣食う悪魔どもを倒してくれ・・・!)

 同じ頃。
 バーンとなってオーニンを捨て身で倒し、町外れの原っぱに倒れていた天川は、漸く
目を覚まして立ち上がった。全身の傷が痛むが、
「・・・ちんたら寝てる場合じゃねえな・・・」
 足を引き摺って歩き出した。

その頃、フレンズの戦い。
ストリームバージョンとして戦いに挑むウォーター達だが、攻撃が効いていない!
さらにはゼッコロイドの高速移動においつかず、体当たりを連続して食らってしまう。
さらに赤い光球を投げつけてきた!
うまくよけるフレンズであったが、光球はブーメランのように返ってきたため、
フレンズの背中を直撃する!

ウォーター「な、なんてことだ・・」
ウッド「結構強えーじゃねえか。」
ヒート「だが負けてたまるか!」
アース「おうよ!」
そういって4人が組合、最強の光線技”フレンズ・エネルギー・バースト”を発射!
高速移動するゼッコロイドをも完全に確保!
ゼッコロイドEは自らのキャパシティを超える量のエネルギーを吸収し、全身が崩壊、自滅した。
ウォーター「その調子だぜー!」
ヒート「もっと力を込めるぜ!」
そういって、さらにパワーをつけ、ゼッコロイドはかなり小さな姿へとなってしまった。
ウォーター「どうする?」
・・・考えたあげく、全員で「こうしよう。」と言い踏みつけた。

あっけない戦いではあったが、宿敵を倒して満足するフレンズ。
だったが・・・。
水野「帰れない!!」
そのとき、KS地区よりやってきた鈴木や宮野らの姿が見えてきた。

 一方、負傷したまま足を引きずって移動していた天川は、暁に頼まれて彼を探しに来たさやかに発見された。
「おお、これはこれはわざわざ」
「軽口叩いてる場合じゃないわよ」
 元より天川=バーンは宇宙警備隊での任務内でもしょっちゅう無茶をしては負傷しており、さやか=銀十字軍の
救護隊員のディアナにしてみればすっかり顔なじみである。とにかくサイキックケアをかけて傷を癒す。
「敵の本陣を叩くために皆集まり始めてるわ。バーン、あなたも早く合流して」
「おう、任せとけ。散々やられた借りを返してやるぜ」

 コンビナートに迫ってくるイメージマターに対し、防衛軍は既に迎撃態勢をしいている。だが、
このまま正面から向かっても又惨敗は必至だろう。
 天川やフレンズの四人が発見されて合流し、遂に揃ったウルトラマン人間体軍団は、その光景を
離れた場所から見ていた。無論見てるだけでなく、イメージマターを迎え撃つ腹である。
「実は、まだ皆に話していなかったことがあるのだが」
 言い出した暁に、何か重要な話かと一同耳を傾ける。
「この戦いが終わった後のことだ。俺と真悟が今回地球に来たとき、滞在していた海辺の小屋の裏に、
バーベキューパーティーの用意がしてある」
「・・・・・・」
「ウルトラマンが地球に勢ぞろいと言ったら、バーベキューパーティーと相場が決まっているのだ。
戦いが終わった後戦勝パーティーということで、異存はないか?」
「あんた、そんな話は敵にどうやって勝つか考えてから・・・!」
 さやかが怒ろうとしたが、
「「「異存なし!!」」」
 腹ペコだった野郎どもは一斉に盛り上がった。さやかは眉間を押えた。ヒスイのみが、ばーべきゅうって
何だと真悟に聞いていた。

 上等な肉を使った料理だと聞いてヒスイも盛り上がる。
ヒスイ「じゃ、さっさと片付けるか。ハヤト、さっき俺の言ったことは覚えてるな」
隼人「はい! ヒスイ兄さんに教わった技と心で、今度こそ敵を倒して見せます」
真悟「おう、期待してるぜ」
暁「はやるのはいいが、人質になっている江口博士を救出するのは忘れるな」

 というわけで、一同変身アイテムを構える。
「じゃ、行くぞ皆」
「おう!」

ある者は振り上げた右拳をやたらと強調しつつ、ある者は体の一部から徐々に、
ある者は昇龍の姿を経て、「変身」する。

コンビナートへ接近するイメージマター。その眼前に、11本の光芒が現れた。
光が収まったとき、そこにいたのは

最も新しい我らのヒーロー、ウルトラマンカイザー。
怒りに燃える真紅の巨人、ウルトラマンバーン。
あらゆる敵を打ち砕く巨人、ウルトラマンイレイズ
治癒能力に秀でる女ウルトラマン、ディアナ。
かつての勇者に酷似した、正義の超人、ウルトラマンシグマ。
奇跡を生み出す使者、ウルトラマンミラクル。
友情に結ばれた四人の戦士、ウルトラフレンズ。
龍神の力宿す蒼き巨人、ウルトラマンリュウラ。

ネオアースセンチュリー66、十一人のウルトラマンが遂に一堂に会した!

焦るピグマ星人。特に重傷を負っている筈だったバーン、ミラクル、リュウラの三人は、青いカラータイマーを保持している。
「うぬ…エゴチ!バトルキングとサマナグ星人を出せ!」
「ですが、十一人のウルトラマンを相手になさるのなら、サマナグとバトルキングのみでは…」
「こちらから援護は行う。頼むぞ。」
十一人の前に立ち塞がるサマナグ星人、バトルキング。

バーン「おいシグマ、懐かしい相手だな。」
シグマ「久々に、飛ばすか!」
先陣を切って二匹に立ち向かうシグマとバーン。サマナグの光線、バトルキングの爆熱光線を防ぎつつ接近する。と、その時イメージマター本体より、凄まじい破壊力の光線が放たれた!
ミラクル「!今のは…」
イレイズ「俺達の光線を…コピーしやがったか…」
カイザー「今のは僕の、タイマーショットのコピーです!」

続いて撃ち出されるタイマーショットがウルトラマン達を襲う。これでは二匹を攻撃できない…
その時、コピータイマーショットを遮断したバリアーがある。
ウォータ「防御は俺らに任せろ!」
…フレンズだ!
続いて、より威力の高いサンシャインショットを放射するイメージマター本体。四人のバリアーでも防ぎきれない…
ウォータ「く…負けるか!友情で結ばれてる限り、俺らウルトラフレンズは不死身だ!」
その時、ウォータへアース、ヒート、ウッドの三人がエネルギーを集中させた。消滅寸前のバリアーが、剣へと変わり甦る。
「ウォータ、ストリームバージョンっ!」
ウォータはエレメンタルブレードからのエネルギーを拡散させ、コピーサンシャインショットを防いでいる。
アース、ヒート、ウッドの三人もブレードへパワーを送り込み、強力なシールドを形成する。
その隙にカイザーとミラクルがバトルキング、バーンとシグマがサマナグ星人へ攻め込む!
イレイズ、ディアナ、リュウラはイメージマター本体へ接近する。

 イレイズとディアナ、リュウラがイメージマターに迫ってくるのを
内部で捕捉して歯噛みしているピグマ星人。接近を防ぐためイメージマターの
表面から小攻撃のビームを出すが、イレイズのタイマードレインで吸収されてしまう。
「奴にエネルギー攻撃はまずい」
「うわっ!?」
 人質にされて壁に埋め込まれている江口博士のとなりの壁から、異形の宇宙人が
浮き出した。イレイズの地球就任期、都合4度も地球を攻めたブラン星人だ。
ブラン星人自体の戦闘力は大したことはないが、
「実弾で攻撃しろ」
 参謀役までコピーできるらしい。

 ビームに代わり、無数の弾丸が不意打ちで飛んできた。イレイズは咄嗟に
バリアブレスシールドでガード。
 ブラン星人の怪獣兵器・ヴォルカノンが、イメージマターの壁面から
上半身だけ出して砲座となり、射撃してきたのだ。
 更に、修復されて調子を取り戻したガタストロンも飛び出してくる・・・

飛び出したガタストロンに即座に横合いから光線が見舞われ、怯ませた
見ると、シグマと共にサマナグと戦っていたバーンがヒートビームの姿勢でそこにいた
その体から、異常、とも言うべき闘士が感じられる
「バーン?」
「頼みがある、こいつは俺にやらせてくれ」
その言葉には、重みがあった

かつて、彼が地球で共に戦った組織の仲間達、彼らを皆殺しにした怪獣が、このガタストロンなのだ
故に、バーンのこの怪獣には並々ならぬ思い入れがある
「恨みとか、憎しみとかじゃねえ」
ファイティングポーズをとるバーン
「ここで俺が、最後のHEET隊員の俺が、コイツを倒す事で」
バーンの赤い部分が、まるで炎のように真っ赤に輝く
「あの時俺がいなかった事を、償いたい」
それは、何の意味もない事かも知れない
しかし、バーンにはそれが大きな意味を持っていた
バーンの申し出を聞いたイレイズは、黙って引き下がった後、
イレイズ「きっちりケリをつけて来い」
バーン「すまん!」


「ディアアア」
裂ぱくの気合と共に蹴りを放つバーン
しかしガタストロンは霧のように掻き消え、その攻撃をかわす
そしてバーンの後ろに周り、その肩口に喰らいついた
「グアア」
更にその両手足ももげ、バーンの動きを封じる
「ヌウゥ」
しかしバーンは慌てず騒がず、空中に飛び上がる
加速をつけ、飛んでいくバーン
その速度は音速を超えている
そして今度は向きを変え、地上に向かって急降下を始めた
バーンに組み付いた腕や頭が、地面に叩きつけられてはたまらんと再び霧状に分裂し、危機を回避する
だがバーンは止まらずに、地面にそのまま体当たりをかました
地面が爆発したように土砂が舞いあがる
が、バーンはすぐさま立ち上がり、再び空で再生したガタストロンに構えを取った
今度はガタストロンの方が口から毒液を吐いて攻撃してくるが、バーンはそれをヒートビームで相殺する
ガタストロンは地面に着地し、今度は分裂して攻撃を仕掛けた
霧の頭、と両腕がバーンに飛んで襲ってくる
それをバーンに対し、バーンはヒートビームの構えを取った、が、光線が出るより早く、ガタストロンの体がバーンの体に食いつき、
光線はガタストロンの方ではなく、バーンの方に逆流して、バーンの両腕が炎に包まれた

勝利を確信したガタストロンがきつくバーンの肩口に喰らいつき、爪がその体を今度は飛びも動かしもさせまいと強く押さえつける
「バーン兄さん!」
その光景を見たカイザーがバーンの加勢に向かおうとするのを、シグマが止める
「シグマ兄さん、このままじゃバーン兄さんが」
しかし、シグマは首を横に振る
「エネルギーが切れようとカラータイマーが潰されようと根性で立ち上がる、それがウルトラマンバーン、俺の友だ、あの程度じゃピンチの内に入らない」
「そんな無茶な!」
「見ろ、カイザー」
うろたえるカイザーに、シグマはバーンの方を指差す
バーンは両腕が燃え、肩口を食いちぎられようとしていると言うのに、うろたえたそぶりすらない
「よく見ていろカイザー、ここからのバーンを」

ふと、肩口に喰らい付いていたガタストロンの頭は何か温度がいやに上がっている気がして、ふとバーンの体を見て、驚愕した
今まで腕だけしか燃えていなかったのが、いつの間にか胸まで炎が燃えているのだ
「この技はデリートさんだけの専売特許じゃねえんだ」
あっという間に炎はバーンの全身を火だるまにし、分裂する暇を与えずに喰らい付いていたガタストロンのパーツを焼き払い、消滅させた
残る胴体があわてて密度を減らして新たな頭と腕を作る前に、炎の塊と化したバーンがガタストロンに突っ込む
「ボディフレアアアアアアアアアアアア」
炎の塊となったバーンの体当たりを受け、分裂間に合わずガタストロンに炎が燃え移る
炎を全てガタストロンにぶつけて火が消えたバーンがその背中から走りぬけた
分裂しようとするガタストロンだが、分裂する前に細胞が燃えて消滅していく
「大海隊長、勝、熊山さん、白山副隊長、仇は討ちましたよ」
バーンがそういい終わると同時に、分裂凶獣ガタストロンは細胞一片残さず燃え尽き、消滅した

サマナグ「ふん、ガタストロンがやられたか…使えんな」
サマナグがぼそりと、しかし聞こえるように言い、さらに付け加えた

サマナグ「シグマよ、我々には江口博士が人質にいるのだ。それを忘れるなよ。
ふははは…」
シグマ「サマナグ…貴様はあの時もそうだった。まだ年号がネオアースセンチュリーに
変わる前、遠い過去だが、姫子ちゃんに怪我を負わし、雪を人質にした…あの時と
変わらない、いやあの時以上の卑劣さだ」
サマナグ「何とでも言うがいい。我々は勝利のためなら手段を選ばない。
シグマ、貴様への恨みは片時も忘れなかった。今日は貴様の歴史の最後の日だ。
行くぞ!バトルキング!!」
サマナグの命令に反応したバトルキングがこちらに突進してくる。
続けてサマナグも光線を放ちながら進んでくる。

シグマ「みんな!こいつらは俺がケリをつける!!こいつらは俺が倒さなきゃ
ならないんだ…みんなはイメージマターを!!」
カイザーとミラクル、バーンは少し戸惑いながらも頷き、イメージマターに向かっていった。
シグマはバトルキングをバーニングキックでふっ飛ばし、態勢を整える。
さらにサマナグの光線をカウンター光線で跳ね返す。
シグマ「悪いが一歩も通さねぇ!!貴様らを必ず倒す!!」

 一方、イメージマター近辺では、ヴォルカノンといきがかりで交戦する
羽目になったイレイズが、リュウラに江口博士救出のための先行を
頼んでいた。リュウラが等身大サイズになれるのはつい最近オフィシャルで
判明している。
「しかし、お前はどうするんだ? その状態じゃ」
「どうにかする」
 イレイズは喋りながらヴォルカノンと戦い、がんがん殴られている。
「サマナグ星人とバトルキングはシグマが引き受け」がん
「残りの連中ももう直ぐ追いついてくる」ごん
「そう面倒にもならないだろう」どがっ
「しかし、お前・・・」
「俺はかつて地球勤務の際、周りの奴らが色々気を回してくれた御蔭で、
過去にそう心残りがなくて済んだ。だから、色々因縁が残っている連中には、
それを優先させてやりたい」
「・・・よし、判った」
 リュウラは納得しておき、イメージマターへ飛ぶ。
「後、ディアナ。因縁を清算しようとしてる連中が無茶してまだまだ怪我
しまくるだろう。そいつらの回復をしてやってくれ。俺のことは後回しだ」
「そういうと思ってたわ」
 ディアナも溜息をつき、要請に従ってその場を去る。
 見送るイレイズをヴォルカノンがまだ後ろからがんがん殴り、
「趣のない奴だな貴様は!!」
 イレイズの裏拳でぶっ飛ばされた。
「そんなに殺し合いんならたっぷり相手してやる」
 イレイズはぼきぼきと指を鳴らす・・・

「大事な存在を、故郷に残したままって感じね。」
ディアナがリュウラに言う。
「…そうだ。だからこの世界で死ぬわけにはいかん。全てを終わらせ、レイハの、カンナの元へ…」
「助けなら、遠慮せずに呼びなさい。」
言い残し、イメージマターを離脱するディアナ。地上ではイメージマターの攻撃を決死で防いでいるフレンズ、そしてかつての強敵に挟撃されるシグマがいる。
空中の三人の中でも、特にバーンは捨て身の大技を放った直後。
(自分が必要だ。)
ディアナは少しだけイメージマターを振り返り、直後「仕事」を始める。

「ちい…軍隊蟻どもが…」
イメージマターに突入したリュウラを襲う無数の弾丸。ブラン星人の軍勢だ。
「青いウルトラマン!その首、頂くぞ!」
と、リュウラは腕から伸ばした光の剣を鞭の如く振るい、弾丸を撃ち落し始めた。
「俺の台詞だ。龍光刃、シャイニングヴァイパー。」
ブランの軍勢に迫り来る光剣。だが、突如剣が停止した!
参謀役のブラン星人が高笑いする。
「見るが良い!対ウルトラマン用バリアフィールドの威力を!」
バリア内部に監禁されたリュウラ。ショットスパークルも内部で乱反射され、逆にリュウラを傷つける。
「無駄だ。青いウルトラマンよ、そのバリアの中でエネルギーを枯渇させ、倒れゆくが良…ぐば!」
参謀役の脳天を貫いた、レーザーがあった。
その射手は、四人の地球人。

「防衛軍養成校研修小隊第3班、高橋だ。」
「畠山!」
「冴島!」
「柴崎!」

彼ら第三班は、他部署が迎撃準備を整えている間、イメージマターに潜入していたのだ。
更にバリアフィールド発生システムを破壊、リュウラは脱出に成功する!
「大丈夫か、青いウルトラマン。」
「しかし…江口博士は一体この中のドコに…」
(…向かって左側の通路、角から四尺程度の位置に埋め込まれている。)

青いウルトラマンのテレパシーらしきものが四人に伝わる。そこへ急ごうとする四人。
しかし、それをブラン星人が妨害する。
「我々の新しい命を維持するため、貴様ら地球人には邪魔させん!」
(哀れなものよ。)
青いウルトラマンから発せられる、強い精神エネルギー。
リュウラ=ヒスイの声ではない。龍の声だ。
(仮の命を与えられ、先ず成す事は地球のニンゲンを殺し尽くすことか。)
龍は、怒っていた。
(お前達の主は己自身には在らず、ただピグマのみ。命持つ者として、恥を知るが良い。)
と、リュウラの全身を龍の姿成す光が纏う。その背に飛び乗るリュウラ。
「仮の命持たされし者。その縛、俺が薙ぎ払う。突撃龍光牙、ドラゴンシャイニングヴァイパー!」
怒りの光剣が、ブラン星人というブラン星人を片っ端から切り裂いてゆく!

江口の所へ急ぐ第3班。しかしイメージマター内部には、未だエゴチとピグマが残っている…

サマナグ星人とバトルキングを引き受けたシグマ。
しかし、2体とも高水準の強豪。シグマも慎重な姿勢だ。
サマナグ「どうしたシグマ?まさか怖気づいたのかな?あの時のような
勢いが無いのでは退屈だよ、私もバトルキングも」
シグマ「(焦るな…普通にやっては奴の思う壺だ…)」
サマナグ「ふっ、貴様が来ないのであればこちらから行くとしよう
やれい!バトルキング!!」

サマナグの呼び掛けに応えバトルキングが咆哮を上げる!そしてシグマ目掛けて
爆熱光線が飛んできた!シグマはそれを回転ジャンプで避けバトルキングに
バーニングキックで反撃する。だがバトルキングはそれに耐えすかさず
爆熱光線で切り返す!シグマはこれを避けることが出来ずダメージを
負ってしまう。
シグマ「うおっ!…このままじゃ、あの時の二の舞だ…!」
サマナグ「まだ終わってもらっては困るな。私が遊んでいないのでね」
そう言うとサマナグは怪光線を発射!シグマはスパークビームで相殺すると
エネルギー光球で切り返す!サマナグ星人目掛けてそれは飛ぶが突如
光線がそれをかき消す!バトルキングが爆熱光線で相殺したのだ!

シグマ「ちっ!さすがに2対1は不利か…!」
サマナグ「ははは…さてそろそろ終わりにしようか」
サマナグの怪光線とバトルキングの爆熱光線がシグマに発射されそうに
なった時、一筋の光線がバトルキングを吹き飛ばしサマナグを動揺させる!
光線を放たれた方向にいたのは…。
シグマ「バーン!!」
バーン「シグマ!やっぱり友であり兄弟のお前をほっとくことなんか出来ないぜ」
シグマ「だが、イメージマターはどうする!お前一人、欠けているだけで
戦力は大きくダウンしているぞ!やはりここは俺に任せて…」
バーン「…お前が欠けていても同じことさ。全員で奴らの野望を打ち砕かなきゃ意味が
無いぜ。それにサマナグ星人やバトルキングといえば俺もどんな奴かは分かっているしな」
シグマ「すまない。礼に今度蕎麦でも作ってやるよ」
バーン「お前の作る蕎麦はまずい」
シグマ「うるせぇ…バーン、お前はバトルキングを頼む!俺はサマナグの野郎を!」
バーン「了解だ!行くぞ!!!」

二人の熱きウルトラマンは強敵2体に飛び掛った!
サマナグ「バトルキングよ、バーンを殺せ!ふっシグマ、今回は我々が
勝たせてもらうよ」
シグマ「てめぇが勝つかどうかは…やってみなきゃ分かんねぇぜ!!!」

「おのれ…地球人ども!」
表情を強張らせるピグマ。正体不明の青いウルトラマンを捕らえたと思えば、脆弱な地球人によって失敗する。
そして第三班は、江口博士の監禁されている壁へ到着した。
「スパイダーEX、低出力モード。壁を分解して博士を救助しろ!」
やたらと大口径の熱線ビーム砲を準備する畠山。ブラン星人は片っ端から青いウルトラマンにぶった斬られている最中なので、結構気楽だった。だが…
「地球人、アタクシたちの計画をよくもまあ懲りずに邪魔してくれるモンだね。」
怒りが度を越したエゴチが第三班へ迫る!
第三班の四人も応戦するが、イメージマター内部であるためにエゴチの意思で周囲の壁が伸縮、攻撃を弾き返してしまう。
「生身で突入してきたのが運の分かれ目だったねえ。…死になさい!」
その時!

「止まれ。」

妙に冷ややかな声が響き渡り、エゴチは動けなくなった。振り返る第三班。そこにいたのは、どう見ても現代の日本人ではない、異装の青年。
「…君は?」
「エグチって学者を助けるんだろう?急げ。」
やたらと上からものを言う長身の男。だが、その切って捨てるような口調は、青いウルトラマンのテレパシーに似ていた。
動けないエゴチを尻目に、第三班はようやく江口博士の救出に成功。すぐさま滞空していたビートル号へ搭乗させる。
高橋は、異装の青年にも手を差し伸べるが…青年は応じない。代わりに、言う。
「アンタらのような人間がいれば、俺達の世界も滅亡を阻止できたのかもな…」
そして青年は、その手に翼状の神具を掴む。
「行け。俺は気にするな。俺は、ウルトラマンだから。」
その言葉を信じ、高橋はビートルを発進させる。彼には、イメージマターへ残った青年の叫びが聞こえていた。
「出でよ…リュウラ!」
直後、イメージマターより「龍」が出現。それは、あの蒼きウルトラマンへ変じる!
「そうか…ウルトラマン・リュウラか。」
高橋は一人呟いた。

リュウラは転化後、即座にゲキへ変身。だが、そのカラータイマーは、青いまま。
同じウルトラマン達の魂がリュウラへ共鳴、活動時間を増大させているようだ。
(レイハの皆、すぐに帰る。アンタたちに教えられた『縛の法』が役に立ったよ。)
しかしこの法には時間制限がある。永遠にエゴチを金縛りにしておけるわけではない。
(なら、早いところ片付けるか。)
他のウルトラマン達に、リュウラのテレパシーが飛ぶ。
「俺だ。エグチって学者、助かったぞ!」

 幕間。
 イメージマター側の怪獣軍団とウルトラ戦士達の激闘で飛び火が周囲に及ぶ中、アーダイカは巨大化して、
避難する人々に被害が及ばないように援護をしていた。
「何でわしがこんなことを・・・」
 しかし、ウルトラ戦士達が集結した今、下手に反抗すると身が危ないと判断し、おとなしくレスキューしていた。
それに、助け出した人々には、ありがとうとアーダイカに感謝してくる者もいる。
「あの男の言ったこともあながち嘘ではないか・・・」

 その男、ウルトラマンイレイズは、主人のブラン星人が全滅しても尚暴れるヴォルカノンとの戦いを
続けていた。一頭相手なら直ぐけりが付くと思ったのだが、不利と見たイメージマター側が、もう一頭
ヴォルカノンを出現させたのだ。二頭のヴォルカノンの高速機動と実弾攻撃にイレイズがてこずっていると。
「イレイズ兄さん!」
 ウルトラマンカイザーが援護に入った。
「カイザー・・・敵の本陣はいいのか?」
「リュウラ兄さんと防衛軍の仲間の手で、江口博士は無事救い出されました」
「そうか・・・なら気遣いはいらんな。あの未来から来た男に教えられた技、見せてもらうぞ」
「はい!」
 カイザーはヴォルカノンの一頭を相手にする。ヴォルカノンは更に移動速度を上げ、カイザーの周りを
無数の残像が包囲するが、カイザーは冷静に構えている。
 残像の中から、一頭の本体がカイザーの背後に音もなく迫る。
 だが、カイザーは既にそれを見抜いており、両手を素早く後ろに回してヴォルカノンを掴み、派手に
投げて地に叩きつけ、それだけで大ダメージを与えた。倒れている間に跳び離れ、
「メテオスペシウム!!」
 必殺光線の一閃でヴォルカノンを粉砕。
「見事だ、カイザー」
 そう評価したイレイズも、バリアブレスソードを一閃してもう一頭のヴォルカノンとすれ違い、
真っ二つに切り裂いていた。

「あの、ピグマ殿・・・」
 エゴチがおたおたするのを尻目に、ピグマ星人は考え込んでいたが。
 壁に浮き出ていた顔が、ずぶりと引っ込んで消える。同時に、イメージマター全体がうねうねと
蠢き始め、粘土の様にこね回される。
「ピグマ殿、何を!?」
「ここまで手こずるとは、計算違いだった。この上は、私の持つ怪獣・星人の全データを注ぎ込んで
イメージマター自体を最強の怪獣に作り変え、ウルトラマンどもを一気に殲滅してくれるわ」
 やがて、エゴチの立っていた足場も不安定に蠢き出し、ナノマシンの波に飲まれるエゴチ。
「ひいッ、ア、アタクシも最強怪獣のパーツにされるので!? ご、ご勘弁を!」
「・・・・・・」
 ピグマ星人はちょっと考え、
「よく考えたら、お前は敵との直接戦闘にはさして使えんわ」
 エゴチをぺっと地上に吐き出した。

イメージマターは、依然サンシャインショットを放射し続けている。これ程のエネルギー量には、さすがのエレメンタルブレードも敵わない…
その時、
「霊光星盾・ペンタクルフィールド!」
リュウラだ。五芒星の法壁でコピーサンシャインショットを四散、ウォータら四人の負担を軽減させる。
更に、
「タイマードレイン!」
イレイズだ!ヴォルカノンを撃滅したカイザーと共に地上へ帰還、リュウラとフレンズによって散らされたエネルギーを吸収、その隙に…
「サンシャイン・ショット!」
カイザーが、イメージマターの光線発射部に本家サンシャインショットを決める!
コピー光線が途切れた。今だ!
「電撃スピンレッグ!」
「破邪龍剛脚、ドラゴンカムイ!」
カイザーとリュウラのダブルキックがイメージマターを損傷させる。好機と見たフレンズは満身創痍でアースメガストリームを放射、追い撃ちをかけるや、膝を突いた。

ディアナは、全力を尽くしたウォータら四人へ、治癒光線サイキックケアを、叩き込む。んでもって強制的に蘇生させる。
続いてシグマとバーンを見る…
「気にすんな、今のうちにイメージマターを!」
「こいつらは俺たちで、ブチ殺す!」
サマナグとバトルキングを前にし、すでに二人はバーニングブレイブ感を全開にしている。

もはやイメージマターは半壊。そこへイレイズショットがトドメを刺す!…と思われたが、イメージマターは突如、変質を開始した!

ビートル内の高橋は、イメージマター中心部より吐き出されたエゴチを発見した。
奴は脳天から地面に突き刺さってもがいている。ホラーにもギャグにも見える。
「獄門島か…」
どうでもいいことを一人呟いた。

 イメージマターはピグマ星人の膨大なデータによるレイアウトで、異様な姿に変わっていく。
 頭は左右に分かれて二つあり、左は強力な爆熱光線を吐くバトルキングの頭、右は分離して
襲い掛かってくるガタストロンの頭。
 左腕は巨大な棍棒を持つオーニンの腕、右腕は魔力を秘めた巨大な剣を持つジャーク星人の腕。
 それらが、シファンセス星人の頑健な身体と脚を中心に配置され、更にその身体は、これまで
ウルトラ戦士に倒されてきた敵の怨念を大気中から吸収してエネルギーとする、ハガネギアロの
装甲で要所要所が覆われている。身長700mのそんな巨体。
 イメージマター・最終形態は此処に完成した。

イメージマターがとんでもない化け物に変身して今まさに暴れようとしている時
バーンとシグマはそれぞれバトルキングとサマナグ星人というそれぞれの強敵に向け、構えを取っていた
背中合わせに頷きあった後、それぞれの敵に飛び掛かる2人
バトルキングに組み付くバーン
しかしバトルキングにあっけなく投げ飛ばされる
バーンは地面に叩きつけられたが、よろよろと立ち上がり、再びバトルキングに向かっていってキックを見舞った
しかしバトルキングはものともせず、逆にバーンの両腕を両腕で掴んで至近距離で爆熱光線を浴びせた
「オウエア」
バーンの胸元で爆発が起こり、バーンはその場に倒れ付した
そしてそれをバトルキングは容赦なく踏みつける
何とか転がって逃げ、立ち上がろうとするバーン
しかし、体に力が入らないのか、立とうとしたところですぐに崩れ落ちる
そこに追い討ちをかけるように更に爆熱光線を発射するバトルキング
激しい爆発に包まれ、バーンのカラータイマーが青から赤に変わった
・・・・元々ガタストロンと戦った時点でならなかったのが奇跡みたいなものなのだ
捨て身の技を放ち、攻撃をあちこちに受け、はっきり言ってバーンは既にボロボロである
カラータイマーの点滅はあっという間に早くなる

だが、バーンは負けない

友情と平和を欲する強い意志が、心の支えになっているからだ
「ディィア」
気合と共に、再び立ち上がるバーン!

バトルキングがバーンに向けて爆熱光線を発射する
バーンはそれをかわして、空高く舞い上がった

「ダアアアアアアミックキィイイイイイイイイイイク」

バトルキングの体に心なしかいつもより高く飛んだバーンのダイナミックキックが炸裂した

・・・・・しかし、バトルキングはなんと両腕でその攻撃を防いだ
後ろに吹っ飛んだ物のバトルキングはすぐに体性を立て直す
同時に、バーンは支えを失い、倒れ付した

カラータイマーの点滅が・・・・・・止まった

なぜならカラータイマーは青に変わったからだ
驚愕するバトルキング
バーン「わりいな・・・・ミラクル!!」
ミラクル「いいって事さ!」
いつの間にかバーンの上にいたミラクルがバーンにエネルギーを分け与えたのである
そのミラクルにはディアナがエネルギーを少し離れた後ろから送っている
バーンがダイナミックキックを使うために大きくジャンプした時、エネルギーのリレーを行ったのだ
ミラクル「これぞ友情!」
倒すべき闇を倒すのに、卑怯もへったくれもない!
再び空高く飛び上がるバーン
今度は足にエネルギーをためている
バーン「派手に吹き飛ばしてやるよ!!」
一気に急降下するバーン

「ダアアアアアアアアアアイナミックエクスブローションキィイイイイイイイイイイイイク」

防ごうとしたバトルキングの両腕を吹き飛ばし、キックがバトルキングのボディに炸裂する
そのままバーンの足からエネルギーがバトルキングに叩き込まれた
そして、爆発四散するバトルキング

バトルキングをバーンに任せ、シグマはサマナグ星人に飛びかかる!
シグマの連続打撃を耐え、サマナグもお返しとばかりに重い一撃を
シグマに浴びせる。さらにサマナグの怪光線とシグマのスパークビームの
光線綱引き!両者一歩も引かぬ一進一退の攻防を続けていた。

サマナグ「やりおるな、さすがはシグマよ」
シグマ「貴様もな…相当鍛えてやがる…!」
サマナグ「ウルトラマンに戦いを挑むのに生半可な鍛え方では返り討ちに
あってしまうからな」
言い終わるとまたも光線を放つ!シグマは回転ジャンプで避けスパークビームで
反撃する!見事に直撃し、サマナグもうろたえる!
シグマ「今だ!アスシウム光線!!」

シグマ必殺!アスシウム光線がサマナグに向かって放たれる!凄まじい爆発が
起き、何も見えなくなるほどの爆風が舞い上がる…。
シグマ「どうだ…!サマナグ星人!!」
これはシグマも勝ったと思った…しかし!
サマナグ「ふふふ…はっはっはっは!!甘いぞシグマ!!」
シグマ「くっ!ことのほかタフだぜ…!」
サマナグ「私を以前のままの私と思っていてはいけないぞ…!私には貴様への
恨み…!そして貴様を必ず倒すという執念がある!!」

サマナグは怪光線を放ちシグマを苦しめる!シグマはなんとか脱出し、
態勢を整え、シグマソードを作る。そしてサマナグも剣を作り出す。
シグマ「何時の間にそんな技を身に付けたんだ?」
サマナグ「貴様にあらゆる面で勝るためにな。貴様お得意の剣術でも私が勝つ」
シグマ「…そう簡単にはいかないぜ…!」
その時、すぐ近くから爆発が起きた。バーンがミラクル・ディアナと共に
バトルキングを撃破したのだ!

サマナグ「バトルキングも倒されたか…」
シグマ「あいつらの力を甘く見てたな、サマナグ星人」
サマナグ「確かにな…バトルキングは私の自慢の怪獣。そしてやはり以前より
パワーアップしておったというのに…ところで君はお仲間の力を借りなくて
いいのかな?」
シグマ「へっ冗談…!お前なんて俺一人で十分だ!それに剣同士の戦いで
1対複数は俺の中で卑怯な行いだからな」
サマナグ「そのこだわりがお前の身を滅ぼすぞ!滅べシグマ!!」
剣を構えるサマナグ星人、そしてシグマも。
シグマ「絶対にお前を倒す!!ウルトラ一刀流免許皆伝!!シグマ参る!!」

走り出す両者!剣を交じわせ、一歩離れたと思うとまた剣を交じわせる。
サマナグがシグマの足に斬りかかった瞬間、シグマはジャンプで避わしサマナグの
頭部を蹴り飛ばす!受身を取ったサマナグは態勢を整え、シグマと距離を取る。
…シグマとサマナグが同時に走り出しお互い高く飛び上がり斬りかかる!
サマナグ「ぬおぉぉぉぉぉ!!」
シグマ「でやあぁぁぁぁぁ!!」
すれ違いざまに両者斬りかかり、着地。両者、剣は何処に消えた。動かぬ両者…。
シグマ「ぐっ…!」
シグマは肩に傷が付けられていた。シグマは負けたのか?

立ち上がるサマナグ。
サマナグ「はーはっはっはっ!!…さすがはウルトラマンシグマだ…!!」
見るとサマナグ星人の腹部にシグマソードが突き刺さっていた…。
バタリと倒れるサマナグ。まさに強敵であった…。
シグマ「サマナグ…最後のお前の姿は戦士だったな…」
バーン「シグマ!!」

シグマのところにバーン・ミラクル・ディアナが駆け寄る。シグマはディアナに
傷を治してもらった。
シグマ「ありがとう、ディアナ…イメージマタ―が悪魔の姿しているじゃねぇか…」
ミラクル「急ごうみんな!」
バーン「ああ、イレイズやリュウラにフレンズ、そしてカイザーのことが気に掛かる」
シグマ「(ディアナの治癒能力だって無限じゃない…早いとこケリをつけなければ!)」

イメージマタ―に向かって飛ぶ4人。最後の決戦が始まる…。

 威容を見せて吠えるイメージマター最終形態。放っておけばコンビナートに踏み入り、
大災害が起こる。巨大な悪魔に対し、ウルトラの戦士が改めて揃い踏みする。
「遅れてすまない!」
 シグマとバーン、ミラクル、ディアナも駆けつけた。
 ウルトラマン達よりも遥かに巨大なイメージマターが見下ろしてくるが、一同は怯まない。
シグマ「いくぞ、皆!」
バーン「おう、これで終わらせてとっととバーベキューだぜ!」
 そんな中、イレイズは、散々サイキックケアを使ったディアナが息を切らしているのに
気付いた。カラータイマーも激しく鳴っている。
「ディアナ、お前はもうここまででいい。後退して、万一のために休んで力を貯めておけ」
「な、何言ってるのよ・・・私はまだ十分やれる・・・」
「お前の本分は最前線で戦う戦士のフォローだ。忘れるな」
「けど・・・」
「俺は必ず生きて帰る。もう頭に血が昇って突出しすぎるような真似はしない。信じろ」
「・・・いっぱしの口を・・・」
 そう言いながらディアナは退き、後方の目立たない位置に下がって変身を解除。人間体・
さやかとして状況を見守る。
 バーンやシグマに冷やかされても、イレイズは鉄面皮を崩さない。元より表情のない
ウルトラマンの顔は崩れはしない。
「熱い闘志は、クールなマスクの下で密かに燃やすものだ・・・ケリをつけるぞ!」
 一同は頷いた。

ジャーク星人の邪悪破壊光線を放射してくるイメージマター。
これをリュウラのドラゴンフィールドとイレイズのバリアブレスシールドが弾き飛ばす。
その隙に…
「ブルー光線!」
「スパークビーム!」
ミラクルとシグマの光線が炸裂する。しかし、直撃にもかかわらずハガネギアロの装甲に反射されてしまう!
怪獣や宇宙人共の怨念を吸い、以前よりも強固になっているのだ。
「リュウラ!ハガネギアロは俺たちにとって未知の敵だ。対抗策は!?」
敵の攻撃を掻い潜りつつシグマが問う。応じるリュウラ。
「アンタら、剣の技は持っているか?」
つまり、ギロチン技のこと。
「己の剣へ念を込め、奴の装甲から、それに力を与えている『怨念』を切り離せ!」そうすれば装甲は無力化する!」
つまり、物理的に切断するわけではないのだ。半信半疑の一同だが、それしか装甲を破る手はない。
しかし、実際に「怨念を断ち切って撃破する様子」を目にしているシグマとカイザーは、リュウラの言に従い、ギロチン技のパワーチャージを始めた。
だがその一瞬の隙を突き、カイザーへオーニンの棍が振り下ろされる!
間一髪、ミラクルのハイアタッカー光線が棍の動きを止めるが…
「気をつけろ!棍からは光線が出る!」
その通り、ミラクルを光線が襲う。止めにかかろうとするウォータらだが、間に合わない!と、
「タイマーショット!」
棍からの光線を止めたのは、カイザーだ!
「今地球に派遣されているのは僕です。僕だって、兄さんたちを助ける事ぐらいできる!」
「よく言ったな、カイザー。それでこそ、ウルトラマンだ。」
称賛するイレイズ。
「よっしゃ。みんな、奴のヨロイを叩き切るぞ!」
シグマの叫びの下、一同がイメージマターへ接近する!

「バーチカル・ギロチン!」
シグマの光刃が突き刺さる。それを皮切りに、
「バリアブレス・ソード!」
零距離からイレイズの剣が唸りをあげる。ヒット&アウェイで再度距離を開けるイレイズ。
イレイズへ反撃しようとするイメージマターだが、そこへ
「ウルトラカッター!」
ミラクルの攻撃、続いてヒート、ウッド、アースのエネルギーを受けたウォータが
「エレメンタルパワードスラッシュ!」
横一文字に亀裂が生じる。すぐさま再生しようとするヨロイ、しかし
「龍光刃シャイニングヴァイパー!」
リュウラの光剣がその亀裂を拡げる。
怯んだイメージマターへ向かって急降下するバーン。彼の手刀にエネルギーが集束し、赤く光る
そして一気に振り下ろす!
「ダイナミック・セイバーッ!」
冥王星での孤独な闘いの中バーンが編み出した、並の怪獣なら一刀両断してしまう必殺チョップである。
さらにカイザーは、ダイナミックセイバーと同じアクションで敵に接近、
「カイザー・スラァッシュ!」
通常は遠距離の敵へ投げつけるカイザースラッシュだが、今回は手持ちのまま敵へ斬り込んだ!
この攻撃で、漸くハガネギアロの装甲が無効化する。

 イメージマター最終形態の鎧が破壊されたところで、ウルトラ戦士達は一斉に攻撃を始めた。

 バトルキングの左頭が、周囲ごと戦士達を殲滅しようと、いきなり爆熱光線を吐いてくる。
その膨大な熱エネルギーを、イレイズが又もタイマードレインで受けて吸収に入る。しかし、
今度は緒戦のようには行かない。身長700mのイメージマター最終形態の頭部のサイズは
ウルトラマン達の3人分くらいあり、当然吐き出される熱量も比例して倍加している。
吸収しきれず、イレイズの全身が忽ち白熱し、負荷に耐え切れず苦しみ出す。このままでは
自爆する・・・!
 更にそこに、ガタストロンの右頭が分離し、動けないイレイズに噛み付こうと飛び掛る。
「くっ・・・!」

 だが、飛び込んできたリュウラの必殺の膝蹴り、ドラゴンカムイが叩き込まれ、寸前で
ガタストロンの頭を叩き落す。落ちていく巨大な頭にとどめを刺すべく、
カイザー「メテオスペシウム!!」
ミラクル「スパイラル光線!!」
 両戦士の必殺光線が同時に撃ち込まれ、木っ端微塵に爆破した。

 バーンは、シファンセス星人の胴体を突き破るべく打撃を叩き込み続けていた。だが、ハガネ
ギアロの装甲が失われても尚シファンセス星人の防御力は絶大であり、いまいち効いていない。
うるさい蚊を叩き落さんとばかり、オーニンの棍棒とジャーク星人の巨剣がバーンに向けて
かざされ、ビームを撃ち込もうとする。
 しかし、後方に控えていたフレンズの四人がそれぞれ別方向から援護射撃の光線を放ち、
棍棒と剣に当てて爆発を巻き起こし、バーンへの攻撃を阻む。更に、バーンに負けじと
シグマが前に突っ込む。
「もたついてるんじゃないぜ、バーン! 一気に決めるぞ」
「わかってらあ!」
 両者は一旦引いて力を貯め、
バーン「ダイナミックキック!!」
シグマ「プラズマスピン!!」
 必殺キックと回転体当たりの同時打撃で、遂にシファンセス星人の胴体を腹から背へ貫いた。
絶叫するバトルキングの頭。胴の穴からエネルギーが漏れ出し、爆熱光線が思うように吐けなくなる。

 残ったオーニンの左腕とジャーク星人の右腕が、それぞれの得物を振り上げて戦士達に
叩き付けようとするが、
リュウラ「突撃竜光牙・ドラゴンシャイニングヴァイパー!!」
イレイズ「バリアブレスソード!!」
 左右から来た光の斬撃が、両腕を根元から叩き斬る。ドラゴンシャイニングヴァイパーの威力も
さることながら、爆熱光線を吸収し続けたイレイズもそのエネルギーをソードに送って眩しく光らせ、
通常より遥かに切れ味を倍増させていた。
 イメージマターの体内で心臓部となっているピグマ星人は驚愕する。
ピグマ星人「な、何故だ・・・私のデータによって各強豪怪獣のパーツを完全な計算で配置した、今の
イメージマターは宇宙最強の大怪獣となっているはず・・・何故!?」
イレイズ「そろそろ、負け確定の台詞を吐き始めたな」
リュウラ「綺麗にとどめといくか?」

「コンビナート付近で爆破するのはまずい。イメージマターを宇宙へ上げ、それから
爆破しましょう!」
 カイザーの提案にウルトラ戦士一同は頷き、満身創痍のイメージマター最終形態に全員で
群がって抱え上げ、そのまま上空へ飛んでいく。
ピグマ星人「は、離せ!!」

 大気圏外に来たところでウルトラ戦士達はイメージマターを離す。巨大なイメージマターは
無重力に漂い、身動きが取れない。それを全員で距離を取って包囲。
カイザー「例え何が来ても、僕らウルトラマンは決して負けはしない! 思い知れ、これが
僕らの、最強の絆だ!!」
 全員、一斉に最後の決め技の構えを取っていく。
「タイマーフラッシャー!!」
「イレイズショット!!」
「アスシウム光線!!」
「ハイパワー光線!!」
「裁邪龍光弾・シャイニングボム!!」
「アースメガストリーム!!」
「そして・・・サンシャインショットだ!!」
 イメージマターの巨体に向けて、十人分、七条の光が叩き込まれる。暗い宇宙が眩しく照らされ、
収束された光の白い世界に、悪魔の巨獣の影が掻き消えていく。
「ぬあああああーーーーーーーーーー!!!!!」
 ピグマ星人の断末魔の絶叫と共に。

 イメージマター最終形態の最期を地上から観測し、歓喜に湧く防衛軍。
高橋教官「多くの可能性を秘めた発明である、イメージマターを失ってしまったのは残念ですが・・・」
江口博士「いや、又作り直せばいい。地球を滅ぼしかねない悪魔の発明とならないよう、今度は心して」
畠山「きっと大丈夫ですよ!」
冴島「俺達人類には、無限の未来が広がっているんですからね」
 モニターに映る宇宙に、勝利を収めた巨大な戦士達が凱旋してくるのが見える。
瞳「ウルトラマン、有難う! 本当に有難う!」
 その後、ウルトラマンカイザーはひとまず鈴木隼人の姿に戻って至急第三班の下へおーいと駆け戻り、
一同を安心させた。

 幕間。
 代官怪人アーダイカは、自分に謀反を起こした悪徳怪獣エゴチを怒って追い回してぽかぽか殴りながら
宇宙へ走って帰り、しかし、タコ殴りだけで不問に処した。現在は、富める者から盗み貧しい者に分け
与える、義賊路線に転向しつつあるようである。

ウルトラマンシグマは、大和真悟は居心地が悪かった。この隣の男…。
ウルトラマンリュウラが、マミヤヒスイがバーベキューを食べながら憮然としている。

ヒスイ「…高級な肉料理と聞いたが、牛肉ばかりじゃないか…。」
普通だろ。
ヒスイ「猫肉はないのか。」
ねえよ。
ヒスイ「アンタら、祝いの席で猫を食わんのか!?」
食わねえよ。
ヒスイ「大体なんだこの酒は!茶褐色に濁っている上妙な泡も立っている!味が濃厚すぎる。冷やして品質の悪さを誤魔化したつもりか!?」
ビールだよ。

ウルトラマンカイザーの、鈴木隼人の第三班における後始末が終わるや、野郎どもは海岸でバーベキューを始めた。
野郎どもは乾杯する。ビールが飲めない人間も数名いるので、烏龍茶を出しておいた。
隼人「今回の勝利は、兄さんたちのおかげです。本当に感謝しています。」
殆どレアのバーベキューに齧り付きつつウルトラマンバーンが、天川一八が返す。
天川「まあ、アレだな。お前はまだ若いからな。」
暁「光の国での訓練と、実戦は異なる。今回のように予測不能な敵も沢山現れる。」
同調するウルトラマンイレイズ、明野暁。
奇跡「他の惑星ならまだともかく、地球には特殊な力を持つ敵がやたらと多く現れるんだよね。」
これまでの戦いを振り返り、少し感傷に浸るウルトラマンミラクル、宮野奇跡。
真悟「地球への滞在はしんどいけどさ、宇宙警備隊にとっちゃ最高の名誉でもあるんだよな。」
真悟の言葉に全員が同意する。

 バーベキューパーティから数日後。
 集まった各戦士達は、各々のフィールドへ帰ることになる。

 カイザーの時代での地球の危機を最初に知ったのは、ミラクルだった。厳密には、奇跡の国の王・
ハイパワーマンが大いなる奇跡の力でその危機を察知し、ミラクルを呼んでその危機を救う使命を与え、
更に時空を超える奇跡を起こし、まずミラクルを彼が地球防衛の現役だった時代へ向かわせた。そして
ミラクルは、既に彼と分離して一人の人間として暮らしていた宮野に助力を請い、再び二人が合体する
ことで当時の力を取り戻した。その後、各方面を回って他の戦士達にも協力を要請したのである。
 その時空超えの奇跡の恩恵を受け、唯一偶発的に戦いに参加したフレンズは自分達の世界へ帰る。
ウォータ「何かあったら又呼んでくれ!」
ウッド「俺達は友達だからな!」
ミラクル「ああ、本当に有難う!」
 四人の仲間達は時空の彼方へ去っていった。見送るミラクル。

 他の戦士達も既に大気圏外に集まっている。
「何度見ても、ここから見下ろす地球は綺麗だな」
「ああ」
 感慨に浸る一同。
リュウラ「さて、俺達も先に行くぜ」
シグマ「うむ。俺達には、自分の世界での戦いがまだ残ってるからな」
 まだ本スレで現役の二人が告げる。
 じゃあなーと、シグマは大和真吾の時代の東京へ、リュウラはマミヤ・ヒスイの時代、ネオアースセンチュリー
よりも更に遠い未来の帝都へと帰還していく。
リュウラ「くれぐれも、アンタらの時代でおかしなことが起こらないように頼むぜー!」
 彼の時代にうようよしている邪仙や高位神仙やその他なんやかんやを見るに、それは難しそうだが。
これからもまだまだ、何か怪しいものがくる。正体不明でやってくる。襲い来る敵はまだ限りないのだ。

 バーンとイレイズは、まだ青い地球の光景に想いを馳せていた。
 この星を守るために最後まで命を賭け、旧BIDステーションと運命を共にしたHEETの面々も、明野暁の
地球防衛の意志を傍らで支え続けた百合子と信也の姉弟二人も、ネオアースセンチュリーの時代に
おいては既にいない過去の人である。
バーン「何万年単位の寿命ってのも、ままならねえもんだな」
イレイズ「ああ。だが、俺達を支えてくれた人々が過去にいたという事実は、今もここで生きている俺達の胸に
残り続ける。それもまた、絆というものなのだろう」

 使命を終えたミラクルは、宮野と分離。宇宙空間で光のフィルターに包まれた宮野は、ミラクルと二度目の
別れの挨拶を交わす。
ミラクル「お別れだ、宮野奇跡。今回も世話になったな」
宮野「何てことないさ。君との友情がある限り、僕はいつでも手を貸すぜ。又機会はありそうだし」
ミラクル「そうか・・・そうだな。じゃ、元気でな」
宮野「隊長・・・いや、ハイパワーマンにも宜しくな!」
 宮野は光に包まれ、彼の故郷へと飛び去っていく。

ディアナ「じゃ、私達も帰りましょうか」
イレイズ「うむ」
 残った四人、イレイズとディアナ、ミラクル、そしてバーンも、光の国へ向けて飛んでいく。
バーン「地球の平和を頼んだぜ、弟よ!」

 既に兄達と別れを済ませたカイザー=鈴木隼人は、地上から空を見上げていた。彼には既に、地球防衛軍・
第3班の一員としての任務が待っているのだ。
高橋「何をしている、隼人。パトロールに出動だ!」
隼人「了解!」

 隼人の個室の机の上に立ててある、バーベキューパーティでの集合記念写真が、ロングで引いていく。
 エンドロールへ。